「両手取り引き」の原則禁止が、民主党のマニフェストに盛り込まれる。
7月27日、民主党から衆議院選挙のマニフェスト(政権公約)が発表されました。「国民の生活が第一」と国民目線を強調し、また、「官僚」ではなく「官邸」による政治主導の政策実現を明言するなど、政権交代に向けた地ならしが着々と進んでいます。長らく続いた自民党政治からの転換を図れる千載一遇のチャンスとして、民主党の鼻息はかなり荒くなっています。

今回、本コラムで当該マニフェスト(政策集INDEX2009)を取り上げたのは、この中に不動産流通を鈍化させかねない内容が含まれていたからです。「安心取り引きで中古・リフォーム・賃貸市場を活性化」という中見出しの中に、「一つの業者が売り手と買い手の両方から手数料を取る両手取り引きを原則禁止とする」という表現が入っていたのです。

もし、この原則禁止が実現したら、不動産仲介業者は受け取れる手数料が従来の半分に減ることになります。なぜ、住宅不況の最中、さらに市況を悪化させるようなことを民主党はやろうとしているのか?―― 確かに、一見すると“宅建業者いじめ”とも取られかねない公約です。しかし、安全・安心・国民目線での不動産取引を実行しようと考えた際、「両手取り引きの原則禁止」は重要な意味を持ってきます。“利益相反”という矛盾を解消できる絶好の機会と、私、ガイドは考えます。

そこで今回、マスメディアでは取り上げられない「両手取り引きの原則禁止」をクローズアップすることにしました。この内容が実現すると、不動産仲介の手数料体系を大きく変える契機(=好機)になります。今回は、その真相に迫ってみることにします。

多様化する価値観にあった住宅を普及させる


まずは、民主党が掲げるマニフェストの中から、住宅関連の公約を拾い出してみました。

  • リフォームを最重点に位置づけ、バリアフリー改修・耐震補強改修・太陽光パネルや断熱材設置などの省エネルギー改修工事を支援する。
  • 建築基準法などの関係法令の抜本的見直し、住宅建設に係る資格・許認可の整理・簡素化など、必要な予算を地方自治体に一括交付する。
  • ホームインスペクター(中古住宅に欠陥がないかどうかを診断する専門家)を育成し、既存住宅を安心して取り引きできるようにする。
  • 多様な賃貸住宅を整備するため、家賃補助や所得控除などの支援制度を創設する。また、定期借家制度の普及を後押しする。
  • 住宅ローンをノンリコース型にする環境を整える。
  • 担保評価の仕組みを見直すことで、リバースモーゲージを利用しやすくする。
  • 木材住宅産業を「地域資源活用型産業」の柱とし、推進する。伝統工法を継承する技術者、健全な地場の建設・建築産業を育成する。

個人的には、住宅ローンの返済に困窮した人達を救済するためのセーフティネットの充実も加えてほしかったと思いますが、昨今、住宅市場で重要視されている課題が一通り並べられています。具体性にとぼしい項目もありますが、実現されれば住宅市場健全化の一助になることは間違いないでしょう。

【用語解説】 ノンリコースローンとリバースモーゲージ