JR常磐線が東京駅に乗り入れ(2014年度予定)
今回紹介するのは、三河島駅前南地区第一種再開発事業の一環として分譲される「アトラスブランズタワー三河島」(旭化成不動産レジデンス、東急不動産)。このプロジェクトが備える最大のニュースは、JR常磐線が東京駅に乗り入れ(2014年予定)、利便性が飛躍的に高まること。交通インフラと住宅の価値が強く相関していることはあえて説明するまでもない。直近の例では武蔵小杉。詳細はこちらの記事【好調物件徹底研究】分譲価格が6年間で2割以上も上昇をご覧いただきたい。「アトラスブランズタワー三河島」は分譲価格が坪単価にして@220万円前後。ファミリータイプでも4,000万円台だ。どこが高級マンションなんだ?との声が聞こえてきそうだが、JR線延伸だけをして注目するのではない。本プロジェクトは、エリアナンバーワンマンションとしての要素を十分に備え、さらに価格の割には高質なつくりで、そして何より(ここが最たる執筆動機になったのだが)、声高にそのクオリティを強調していない(つまり購入検討者に伝わりにくいだろう)と感じたから。
プラス評価だけでなく、マイナス評価も合わせてわかりやすく解説してみたい。
立地の特徴
立地の利点は、最寄り駅(JR常磐線「三河島」駅)から徒歩1分であること。資産性を重視するときは「駅近マンションを選べ」というが、5分でもなく3分でもなく「1分」の場合、その価値は数値以上の差があると思っていい。ただし、駅前ならではの雑踏の具合は差し引いてみなければならない。JR山手線「日暮里」駅も徒歩圏(13分)である。次に、現地が線路の南側であることも好条件のひとつ。さらに特筆すべきは、駅構内とマンションの敷地が続きとなって一体化を図るところ。車道を南側に流し、安全で開放感のある広場が完成する頃、地元の人々は駅前再開発ならではの醍醐味を実感するだろう。タワーの1階・2階部分は商業、業務施設が入る。テナントは未定だが、生活関連施設が入居すれば利便性はより期待できそうだ。
マイナス点は地盤にある。当該エリアの表層地盤増幅率(地表近くの地盤の地震時の揺れを表す数値)は「2.37」<「地震ハザードステーション」より>。湾岸の埋立地エリアと同程度の軟弱さである。これは、「アトラスブランズタワー三河島」の基礎杭が地下50mまで打設しているころからも窺い知ることができよう。そして、地盤の抱えるデメリットを軽減するために採用された構造が、清水建設の先端技術「コアウォール+境界梁型制震ダンパー」である。