あ:あいさつは、元気よく

近所の人や顔見知りの人と会ったときに、親御さまがきちんとあいさつをする姿を見せることで、子どもはあいさつすることを身につけていきます。家庭内でも親御さまが笑顔で、「おはよう」「おやすみなさい」「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」などのあいさつを心がけることで、子どもは自然とあいさつをできるようになるでしょう。

い:いつも早寝早起き

「早起きは三文の徳」といわれていますが、道徳的な理由からではありません。

ご存知のことかと思いますが、人間は早寝早起きをしているときにもっとも潜在能力を発揮できる仕組みになっているのです。人間の体内時計の1日は24時間より若干長くなっているため、明るさが同じところで過ごすと、体内時計と地球時間との差の分だけ生活リズムがずれてしまいます。

この、生活リズムの「ずれ」を朝の光が脳の「視交叉上核」という部分にある体内時計に働いて調整します。ところが、夜の光は朝の光とは逆に体内時計の1日を伸ばす働きがあるため、夜更かし朝寝坊では体内時計と地球時計がずれて、慢性的な時差ボケ状態になってしまいます。

また、成長ホルモンは、寝ている間にしか分泌されず、しかも就寝後2~3時間後に最も多く分泌されます。時間帯は、午後10時~午前2時にかけて最も多く分泌されるので、成長ホルモンを効果的に出すには、午後8時~午後10時くらいに寝るのが一番良いのです。

ですから、幼児期の子ども成長のことを考えれば、睡眠時間が足りていれば良いというものではなく、睡眠の時間帯が重要となってくるのです。

う:運動を楽しく

最近は、子どもが身体を動かして遊ぶことが減っています。幼少期の運動不足の影響は、体力や運動能力の低下だけにとどまりません。

幼少期の子どもは友達と身体を使って遊ぶときに、「こういう遊びをしよう」「公園で遊ぶときは、他の人に迷惑にならないように、こういうルールで遊ぼう」などと、会話をします。その会話を通して、他者との交わりや社会のルールを学んでいくのです。

「子どもは遊ぶのが仕事」と、昔は言われていました。遊びは学力には無関係のように感じるかもしれませんが、身体を使った遊びを通して、体力やコミュニケーション能力が向上することで、勉強面にも良い影響がでます。

え:笑顔で片付け

全国学力テストは、「知識」に関するA問題と、実生活のさまざまな場面での課題を解決するための活用力をみるB問題で構成されています。A問題を解けた児童・生徒であれば、解ける問題が大半でした。

B問題の正解率が低い原因はいくつか考えられますが。その一つに、実生活での体験不足が挙げられます。国語で出題された手紙の書き方や、算数で出題された買い物に関する問題などは、実生活で体験していたら難なく解ける問題でしょう。

最近は、中学入試だけでなく高校や大学入試でも、知識を活用するような問題が増えつつあります。こうした力はテスト勉強をして一朝一夕で身につくものではありませんが、日ごろの取り組みで誰もが身につけられるものです。そして、子どもに実生活の体験をさせるのに、もっとも身近なものが「お手伝い」です。

では、何歳くらいからお手伝いをさせるのがいいのでしょうか? これは、お子さんの成長度合いや家庭環境によって一概には答えられませんが、言語能力や自我意識が発達して好奇心が旺盛になる3歳くらいからがいいでしょう。この時期の子どもは、自分の力を試してみたいという意欲が強いので、お手伝いを喜んでやります。

お手伝いには、実生活を体験できる以外にも、お子さんにとってプラス効果がたくさんあります。家族の一員としての責任感も芽生えるでしょうし、お手伝いできたという達成感から自信が芽生え、他の事にも自発的に行動できるようになるでしょう。

幼少期のころにお手伝いの経験をしたことがいない子どもは、親に依存してしまい整理整頓ができないことが多いです。整理整頓ができないと、勉強を始めようと思っても「机の上が整理されていなくて、プリントが見当たらない」「勉強を始める前に、机の上を掃除しないといけない」なんてことになってしまい、勉強の効率にも影響します。

幼少期のころから、お手伝いとお片付けの習慣をつけるようにしましょう。

お:おいしく食べる

全国学力テストや民間の調査結果などで、朝食の摂取と学力・体力には相関関係があることが明らかになっています。

では、「朝食を食べさえすればうまくいくのか?」というと、そういうわけではありません。朝食には、「体温を上げて眠っていた体を起きた状態にする」「寝ている間にエネルギーがなくなってしまった体と脳に、ブドウ糖を補給する」という働きがあります。ですから、空腹を満たすために朝食を食べればいいというわけではなく、栄養のバランスを考えた朝食が大切なのです。

最近の子どもは偏食が多いようですが、偏食をなおすには、嫌いなものを無理やり食べさせるよりも、「子どもの自主性」を刺激するのが効果的です。家では好き嫌いを主張するお子さんでも、お友達と一緒なら好き嫌いなく食べられることがあります。遠足などの特別な雰囲気のときに、お弁当に苦手なものを少し入れておくと、苦手なものも食べることができるかもしれません。そして、苦手なものを少しでも食べられたら、たくさんほめて一緒に喜んであげましょう。親御さまの笑顔が、苦手克服へのモチベーションになりますし、苦手なものの克服はお子さんの自信につながります。

学校のテストと違い、「正しい生活習慣」は結果と効果が目に見えにくいものですが、これは子どもの成長の基本となる土台です。急がず焦らず、しっかりとした土台を作ってください。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。