絵本/おすすめロングセラー絵本

ローベルおじさんのどうぶつものがたり

皆さんはローベルおじさんをご存知ですか? ローベルおじさんは、擬人化した動物を主人公に、人間の弱さや醜い心などもユーモアに包んでさらりと描く絵本作家です。今回は、ローベルおじさんことアーノルド・ローベルの代表作をご紹介します。

執筆者:大橋 悦子

ローベルおじさん、こんにちは

子どもたちに絵本やおはなしを届けるのは、お父さん・お母さんばかりではありません。身近な人たちだけでなく、時にはおはなし会などで、初対面の読み手から心に残るお話をプレゼントされることもありますね。例えば、今回ご紹介する作品の作者・ローベルおじさんなども、そんな会ったことのないプレゼンターの1人です。えっ、ローベルおじさんをご存じない? それでは、ローベルおじさんのご紹介から始めましょうか……

風変わりな主人公たちも魅力のユーモラスな寓話集

『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』の表紙画像

ローベルおじさんの観察眼が光る、温かくてユーモアいっぱいのお話絵本

ローベルおじさんことアーノルド・ローベルは、がまくんとかえるくんの絵本『ふたりはともだち』などで有名なアメリカの絵本作家です。ローベルおじさんは、擬人化した動物たちを主人公にして、人の生き方や人生そのものを描くのが得意で、優れた絵本に贈られるコルデコット賞やニューベリー賞を受賞した絵本界の巨人なのです。

そのコルデコット賞受賞作『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』には、20のお話が詰まっています。けれども人間は1人も登場しません。そのかわり、どこかで出会ったことがあるようなとても人間臭い動物がたくさん登場します。そのためか、イソップ物語に似ていると言われますが、風刺や皮肉が強烈なイソップ物語に比べると、ずっとユーモラスで温かみのあるお話が並んでいます。

まずは、表紙をじっくりとご覧ください。なんとまあ、奇妙な格好をしたクマでしょう?! フライパンをかぶり、白いシーツを体にまとい、紙袋の靴を履いています。彼はいったい何をしようとしているのでしょうか? 本文では、このような、読者の想像をかきたてる絵と、お話がペアになって、見開きで1つのストーリーが語られていきます。

表紙のクマだけではありません。
  • 穴だらけの傘をさすマントヒヒ
  • 真っ赤なトゥシューズを履いたラクダのバレリーナ
  • りんごの木に化けるオオカミ
等々、ちょっと風変わりな動物たちが次々に登場します。彼らのお話は、明るく愉快なだけでなく、人間の弱さや醜い心などもさらりと描かれていて、大人もハッとすることがあります。このあたりのバランスが絶妙で、ローベルおじさんの本領発揮と言えるでしょう。

また、お話の最後には、おじさんからのひと言コメントが添えられていて、こちらも見逃せません。人生の指針となるような含蓄のある言葉が書かれていることもあれば、芸人さんのツッコミのような笑えるひと言が載せられていることもありますから、どうぞお楽しみに!


【書籍DATA】
アーノルド・ローベル:作 三木卓:訳
価格:1631円
発売日:1981/5/24
出版社:文化出版局
推奨年齢:5歳くらいから
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