学校で、地域で、家庭で、できるスタイルで
「弁当の日」導入事例を紹介する枚方市立殿山第一小学校校長
中村奈緒美氏
画像提供/大阪ガス株式会社
子どもだけで作ってケガをしたら?
家庭の事情で作れない子がいたらかわいそう!
授業の時間をどのように確保するべきか・・・。
いろいろな問題や、受け止め方はあるでしょう。竹下氏が始めてから12年たった今、全国の学校で取り組みが始まり、それぞれの学校でできる方法で実践されています。セミナーでは、枚方市立殿山第一小学校の事例が紹介されました。
同小学校では、「お弁当を作ってくれてありがとう」コース、「一緒に買物に行く」コース、「お弁当箱に作ってもらったものを詰める」コースなど、7つのコースを設定し、無理なく少しずつステップアップできるように工夫されています。
また大阪ガス株式会社では、地域社会の一員として、食育活動を行う中で行政などと連携し、「弁当の日」の普及をサポート。家庭だけでなく、学校や地域などの社会全体の中で、子どもがよりよく育つ環境づくりをする活動が展開されています。
卒業しても、体の中に生きる「弁当の日」
『できる!を伸ばす 弁当の日』
竹下和男著
「弁当の日」一期生や二期生は、もう大学生や社会人となり、親元を離れて暮らす人も多くいます。「友人は料理のできない人がほとんどだけれど、自分は自炊ができます。友人からなぜそんなに料理ができるのかと驚かれますが、弁当の日のおかげです」というような感謝の言葉が、竹下氏に寄せられるそうで、「弁当の日」は卒業生の体の中に生きていると感じるそうです。
セミナーを聞いて、弁当箱は子どもという宝物を大きく育てる玉手箱になるのだなと思いました。最後に竹下氏が、平成14年度に綾川町立滝宮小学校を卒業する子どもたちに贈られたた言葉を一部抜粋してご紹介します。
あなたたちは、「弁当の日」を2年間経験した最初の卒業生です。
・・・・(中略)
食事を作ることの大変さがわかり、家族を有り難く思った人は優しい人です。
手順よく出来た人は、給料を貰える仕事についたときにも、仕事の段取りのいい人です。
・・・・(中略)
一粒の米、一個の白菜、一本の大根の中にも「命」を感じた人は、思いやりのある人です。
・・・・(中略)
食材が弁当箱に納まるまでの道のりに、たくさんの働く人を思い描けた人は、想像力のある人です。
・・・・(中略)
家族が揃って食事をすることを楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人です。
滝宮小学校の先生たちは、こんな人たちに成長してほしくって2年間取り組んできました。
おめでとう。これであなたたちは、「弁当の日」をりっぱに卒業できました。
(竹下和男)
竹下和男氏のお話を聞く機会が2012年12月26日にもあります。
「マジごはん by OSAKA "ちゃんと食べよか~"推進プロジェクト
食育ヤングリーダーフォーラム」
日 時 2012年12月26日(水曜日) 13:00~16:30(開場12:30)
場 所 相愛学園本町学舎講堂
参加費 無料
申込み 近畿農政局大阪地域センター消費・安全グループ
FAX06-6941-9011
関連リンク/
・子育てと食育セミナー 台所に立つ子どもたち 弁当の日(大阪ガス)
・世界で初めて確認! 料理で脳は活性化する(食と健康)