障害者雇用は企業の社会的責任です!
自社の障害者雇用状況を把握することから始めましょう
障害者雇用は、「障害者雇用促進法」という法令で、障害者の法定雇用率が定められています。この法令によりすべての事業主は、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があるのです。今般の改正で、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が広がりました。今まで、企業規模が小さいため対象となっていなかった企業の皆様も、今後適用対象となる可能性があります。今回の記事で自社の状況を検証し、今後の障害者雇用に取り組んでいきましょう。
法定雇用率UP、自社は障害者雇用の対象企業となるのか?
■平成25年4月1日~ 法定雇用率が変わります(現行%→平成25年4月1日以降%)
1.民間企業 1.8%→2.0%
2.国、地方公共団体等 2.1%→2.3%
3.都道府県等の教育委員会→ 2.0%→2.2%
上記のとおり法定雇用率は3パターン。民間企業では、2.0%以上の割合で障害者の雇用をしなければなりません。
■雇用する障害者とは?
身体障害者・知的障害者の方です。精神障害者の方については、雇用義務がありませんが、雇用した場合は身体障害者・知的障害者を雇用したものとみなされます。
■自社は障害者雇用の対象企業かどうか検証しよう!
今般の改正により、障害者雇用の義務が生じる企業の範囲が次のように変更されます。
(現行) 従業員56人以上
↓
(平成25年4月1日以降) 従業員50人以上
50人以上の企業が対象となります。民間企業の場合は前記のとおり2.0%ですから、従業員50人の場合は、1人(=50人×2.0%) の雇用義務が生じるわけです。今現在50人前後の企業、あるいは今後従業員構成の増大が見込まれる場合は、対策を進める必要性があります。
法定雇用率を下回る企業は「納付金」が徴収される!
法定雇用率が引きあがることは決まっていますので、その準備を進めることが肝要です。でも実際の企業実務上は、即対応ができない場合も多いことでしょう。そうした場合、行政側から指導が行われ達成に向けて企業努力が求められます。その一方で、対応が遅れ法定雇用率を下回る一定の企業には、「障害者雇用納付金」が徴収されています。■従業員200人を超える企業が対象!
法定雇用率を下回っている企業(従業員200人超)は、法定雇用障害者数に不足する人数に応じてこの納付金を納めなければならないのです。この納付金は、逆に法定雇用率を上回っている企業に対する障害者雇用調整金、報奨金、各種の助成金の財源として使われます。上回っている企業には調整金が支給されるのです。下回っている企業から、上回っている企業への経済的援助のようなものと考えると分かりやすいですね。
障害者雇用は、職場環境・作業施設の整備など、経済的負担が伴います。このシステムは企業間の負担の公平を図る制度であり、また障害者雇用の水準も高まりますね。まさにCSR(企業の社会的責任)の実践といえるのでしょう。
次のページでは、ハローワークによる障害者雇用率達成指導の流れ、について解説しています。