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わが家の家計戦略! 「働くなでしこ」大作戦!(2ページ目)

少子化による労働力人口の減少と長引く不況を解決するためには、女性の力が欠かせない、ということで、2012年、政府も国家戦略として「働くなでしこ」大作戦を展開し始めました。個人レベルでも、結婚や出産後も働き続けたいと考える女性が増えていますが、個人や家庭によって事情はさまざまです。今回は、家計戦略の1つとして、女性が働ける環境を整える方法について、考えてみました。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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30代以降の女性を悩ませる無償労働3C

今日はママがお仕事だから、パパとお出かけしようね!

今日はママがお仕事だから、パパとお出かけしようね!

女性も働き続けることができれば、家計も安定するし、企業や日本にとっても良い、ということは、容易に想像できるのですが、そうはいっても簡単に仕事を継続できない、という現状もあります。

女性が仕事を続けにくい背景について、平成24年11月13日に開催された「UN Women ミチェル・バチェレ事務局長に聞く会」で、ミチェル・バチェレ事務局長が、興味深いことをおっしゃっていました。それは、「日本人女性の6割が出産を機に仕事を辞めて就く、3つの無償労働(3C)」についてです。3Cとは、Clean(掃除)、Cook(調理)、Child care(育児)です。3Cにかかる時間が、男性よりも圧倒的に多いため、仕事をする時間が確保しにくいのです。確かに3Cは、家事代行や外食・食事宅配、保育園・ベビーシッターなど、外部のサービスを利用すればしっかり費用がかかる、立派な労働ですが、自分たちですると費用はかからない反面、収入も得られません。

夫の立場からすると、「家計を考えると妻にも働いてほしいけれども、自分も忙しいので、家事育児の分担は難しい」と考える人も多いようです。このあたりで、妻がなかなか働きに出られない、という方も多いのではないでしょうか。
【参考コラム】●妻が働いても夫の家事・育児は増えない!?

ミチェル・バチェレ氏は、元チリの大統領ですが、はじめは、小児科のお医者様で、次にチリ政府の厚生大臣や国防大臣を歴任されました。ご自身も子育てと仕事の両立は大変だったけれども、ベビーシッターのおかげでなんとか乗り越えられたそうです。その後、ご自身の経験を活かして、低所得世帯向けの無料保育園の増設や女性や子どもの社会的保護、年金制度や研究開発の問題解決など、当時、チリも財政難だったそうですが、きちんと費用をかけて功績を残されました。
「UN Women ミチェル・バチェレ事務局長に聞く会」

最近、「女性管理力を○%にする」といった目標を掲げている企業を多く見聞きするようになりましたが、ミチェル・バチェレ氏のお話を聞いて、「女性のリーダーが増えると、女性の視点でどのような支援が必要なのかを理解し、制度を作っていくことができる」ということを理解することができました。日本は、世界の中で見ても、女性管理職や女性政治家が少ない国ですが、今後女性リーダーがもっと増えていくことを期待しています。

>>今からできる! わが家の「働くなでしこ」大作戦!
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