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スポーツジムの利用料が医療費控除になるってホント?

一定の条件のもとで、スポーツジムの利用料が医療費控除に適用されるってご存知ですか? 今回は、健康診断と運動療法、医療費控除の関係について解説します!

平野 泰嗣

執筆者:平野 泰嗣

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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スポーツジムの利用料が医療費控除になる?

健康診断で高血圧症などの診断をされて、運動しなさいと勧められたけれども、スポーツジムに通うには、費用も侮れないし……と及び腰になっている方はいらっしゃいませんか? そんな方に朗報があります。

今回は、指定運動療法施設を使って医療費控除を受ける方法について、解説します!

確定申告で医療費控除を受けられる?

健康診断の結果、治療のために運動療法をしたら、医療費控除になるの?

健康診断の結果、治療のために運動療法をしたら、医療費控除になるの?

コラム「夫婦共働きの医療費控除、得するカンタン管理術」の中で、「健康診断の結果、病気であることが分かって、引き続き治療をした場合は、健康診断や人間ドックの検査費用も治療の一環として、医療費控除の対象になる」ということをご紹介しました。

けれども、「健診の結果、高血圧症や高脂血症などと診断され、運動療法が必要とされた場合、医師から運動療法の処方箋を書いてもらい、厚生労働省が指定する運動施設で運動をして実施証明書をもらうと、確定申告で医療費控除を受けられる」ということは、意外と知られていないようです。

運動するのに処方箋がいる?

健康診断で、医師から運動療法を勧められた場合、運動療法の実施から医療費控除を申請するまでの流れをご紹介します。
財団法人 日本健康スポーツ連盟HPをもとにガイド平野が図を作成

財団法人 日本健康スポーツ連盟HPをもとにガイド平野が図を作成

まず、かかりつけの医師等から、「運動療法処方箋」を書いてもらいます。処方箋というとお薬のイメージがありますが、医師の指導の下で治療として行う、という証になります。その処方箋をもとに、運動療法を行います。

運動療法が実施できる施設は、「厚生労働大臣認定健康増進施設」として、全国にフィットネスクラブや医療機関型の施設、健康保険組合の施設や公共の施設などがありますが、医療費控除を受けるためには、さらに「運動療法を行うに適した施設」として厚生労働省から指定された「指定運動療法施設」で行う必要があります。利用しようと思っている施設が「指定運動療法施設」になっているかどうか、事前に必ず確認をしておきましょう。

治療の一環としての運動なので、医師の指導が必要です

治療の一環としての運動なので、医師の指導が必要です

「指定運動療法施設」で運動療法を実施し、領収書と実施証明書などの交付を受けて、提携医療機関からアドバイス・指導などを受けて経過を観察します。

※「週に1回のトレーニング」「8週間以上継続」「月に1回程度の経過観察を行う」など、必要条件があるので、実施条件を必ず確認してください。

これらを繰り返しながら、健康改善を行い、かかりつけの医師や提携医療機関から実施証明書の確認を受けます。そして、確定申告の際に、「運動施設の利用料金領収書」「運動療法実施証明書」を提出して医療費控除を受けることができるのです。

・「厚生労働大臣認定健康増進施設(運動型)一覧表」(財団法人 日本健康スポーツ連盟)

パートナーと一緒にジムに通う場合は?

1人よりもパートナーと一緒に通った方が継続できますね!

1人よりもパートナーと一緒に通った方が継続できますね!

こうして手続きの流れを見ると、なんとなく面倒そうに感じますが、あくまでも治療の一環として運動療法を行い、かかった費用に対して税金の優遇を受けられる、という趣旨ですので、きちんとした手続きが必要なのは、仕方がないことかな、と思います。

「治療のためには通い続けることが大切、ということは分かっているけど、1人だとどうも続かなくて……」という方もいらっしゃるでしょう。パートナー(夫や妻)と一緒ならば、続けやすい、ということで、夫婦で一緒に通うこともあると思いますが、スポーツジムの会費を医療費控除の対象とすることができるのは、医師から診断を受けた本人の分のみですので、念のためご注意ください。

医療費控除の制度が利用できる場合は、ぜひ活用していただきたいですが、もし医療費控除が受けられなかったとしても、健康という資産を増やすための自己投資だと思って運動する習慣を作ってみてはいかがでしょうか。

共働き夫婦は、「仕事が忙しくて生活が不規則になりがち」「デスクワークが多く、運動不足気味」という方も多いようです。夫婦がともに健康で長生きできるように、今から健康資産を増やしていきましょう。

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