借換えに必要になる費用の確認
住宅ローンの借換えは、新たに住宅ローンを借入れし、元の住宅ローンを全額返済することです。そのため、借換えとは言え、当初借入れをしたときと同じような諸費用が必要になります。金利が低くなっても、諸費用がかかるためトータルでは余計に支払うことになってしまった、ということがないよう気を付けましょう。1.保証料と手数料をチェックする
住宅ローン選びの際にポイントになる費用、つまり金融機関によって異なる費用は「手数料」と「保証料」です。保証料なしでも手数料が「借入額の2.1%」というような場合には、保証料がかかる場合とほぼ同水準の負担となります。保証料は、借入額と借入期間で決まりますので、借入期間が短い場合には保証料の方が安くなる場合もあるでしょう。
金利が少し高くても、この初期の費用が少ない方が総額で少なくなる場合もあります。金利のみでなく、「手数料」と「保証料」のチェックもお忘れなく。
2.抵当権の設定費用はどこの銀行でも必要
住宅ローンの多くは対象となる住宅を担保にして借入れをしますので、抵当権の設定が必要となります。借換えをすれば、以前の金融機関の抵当権を抹消して、借換え先の金融機関が抵当権を設定します。この手続きはどこの金融機関でも共通。例えば、2,000万円の借入れで、約15~20万円程度でしょう。概算は、各金融機関の借換えのシミュレーターでも確認できます。
【参考記事】住宅ローン借換え検討に役立つシミュレーションツール
「手数料」「保証料」がほとんどかからなくても、これらの登記費用(登録免許税と司法書士報酬)および、契約書の印紙代はかかりますので、予算に入れておきましょう。
その他の落とし穴にも注意
●住宅ローンを2本以上借入れしている場合夫婦各々が借入れをしていたり、フラット35と銀行のローンを組み合わせて借入れしていたりなど、1つの住宅に2本以上の住宅ローンを借入れしていた場合には、原則、残高の全額を一つの銀行に借換えする必要があります。これは、新たに貸し出す金融機関が第1位の抵当権を設定するためです。
そのため、夫婦で借入れしていた場合などは、夫の分だけ借換えということは難しくなります。夫婦とも審査に通る必要があるので、妻が仕事を辞めたなど当初と状況が異なる場合には借換えができない場合もあります。
●安易に返済期間を短くしないこと!
借換えをして金利が低くなると、毎月返済額も少なくなります。「もう少し支払えるから」と期間を短くすれば総返済額をさらに減らすことができます。とても有効な方法に思えますが、期間を短くする場合には注意も必要。変動金利型や固定金利選択型は、将来金利上昇した場合、返済額がアップする恐れもあります。また、子の教育費の支出が増えて、家計が厳しい時期が来ることもあるでしょう。
安全策を取るならば、期間はなるべくそのままにし、余裕が出た分は繰上返済で返済していく方法をとれば良いでしょう。