効率的な住宅ローンの返済は、借入額は少なく返済期間は短いこと。住宅ローンだけを見れば確かにこれは正しいのですが、家計は住宅ローン以外にも考慮しなくてはならないことがたくさんあります。今後のライフイベントとのバランスも重要になってきます。その上で、どのような借入、返済の選択肢があるのか考えてみましょう。

「頭金は多め」のメリットとデメリット

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手元にお金を残すか、なるべく頭金を多くして借入れを減らすか、それぞれにメリット・デメリットがあります

住宅購入において、頭金をいくら入れることができるかは、借入額に影響してくることもあり、大きな要因です。もちろん、頭金が多い方が借入額が少なくなり、総額も少なくすることができます。これが「頭金は多め」のメリットです。

<例>35年返済 金利3%の場合
●頭金 500万円  借入額3,000万円
⇒総額 約5,349万円(内住宅ローン返済総額 約4,849万円)
●頭金 100万円 借入額3,400万円
⇒総額 約5,596万円(内住宅ローン返済総額 約5,496万円)

同じ価額の物件を購入したとしても、上記例では、総額で約250万円もの差がついてしまいます。住宅購入時に、手元に資金が600万円あったとしたら、あなたは500万円を頭金に使いますか?それとも100万円にしておきますか?

数字の損得で見れば、500万円を頭金に使った方がお得そうです。しかし、住宅購入後に手元に残る金額は100万円のみ。生活費が25万円/月かかっているとすると、4か月分のたくわえがあると考えられます。万一、何かがあった場合に4か月で生活を建て直すことができるかどうかがポイントです。

一方、頭金に100万円を入れた場合には手元に残るのは500万円。1年8か月分の生活費のたくわえがあることになります。万一収入が途絶えてしまったり、収入が減ってしまった場合でも生活費の1年以上のたくわえがあると安心感は高まりますね。手元にお金を多めに残して置くメリットがこの安心感です。

「当初から短期返済」と「長く借りて繰上げ返済」の比較

もう一つ、比較をしてみましょう。当初から借入期間を短くしておくのと、長めに借り入れして繰上げ返済するのとでは、どのくらいの差があるでしょうか?

<例>3,000万円の借入、金利3%
●25年返済の場合
毎月返済額 142,263円 総返済額 約4,268万円
●35年返済の場合
毎月返済額 115,455円 総返済額 約4,849万円

5年ごとに160万円を繰上げ返済(25年返済との差額分)
25年8か月で完済 総返済額 約 4,356万円

当然ながら25年返済と35年返済では総返済額に大きな差があります(約580万円)。ただし、毎月返済額も35年返済の方が約2.7万円少ないので、この差額分を貯めておき、5年に一度繰上げ返済すると、その差は約88万円まで縮まります。

総額で約88万円の差は小さくはありません。しかし、返済期間中、常に余裕がある、手元に預貯金がある状態が続いていることになります。予備費が多めにあるというのも、大きな安心感ですね。