住宅ローンの借り換え・返済/住宅ローンの繰り上げ返済まるわかり

多めに借りて繰上げ返済VS頭金多めで早期返済(2ページ目)

無理のない住宅ローン返済の鉄則は、借入額はなるべく少なく、そして返済期間は短い方が総返済額は少なくなります。一方で、当初は多めに借入れをしておいて繰上げ返済するという手もあります。この二つの方法、どのくらいの違いがあるのでしょうか?

高田 晶子

執筆者:高田 晶子

住宅ローンガイド

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多めに借りて繰上げ返済VS少なく借りて早期返済

では、前記2例を合わせたケースで比較してみましょう。

【ケース】3,500万円の物件購入、手元資金500万円、金利3%の住宅ローンを利用
1.頭金500万円、借入額3,000万円、25年返済 
手元に資金は100万円しか残らないので、緊急予備資金用が500万円になるまで、毎年100万円貯めていく(4年間)。
毎月返済額 142,263円 当初から短めに組んでいるので繰上返済は行わない
2.頭金100万円、借入額3,400 万円、35年返済
手元に資金は400万円残る。
毎月返済額 130,849円 緊急予備資金はあるので、毎年100万円+13万円(上記1との差額の1年分)の余裕あり。当初4年間は、毎年113万円を繰上返済。その後は毎年12万円の繰上返済(手数料なしの金融機関の住宅ローンを利用)。

1.のケースでは、住宅ローンの総支払額は約4,268万円。頭金をプラスして総額4,768万円の支払いだったということになります。手元にある資金はめいっぱい頭金に入れて借入額を少なくし、かつ、なるべく短い返済期間にするという、住宅取得だけを見た場合には、効率良い(支払額が少なくなる)パターンです。

2.のケースでは、住宅ローンの総支払額は約4,745万円。頭金をプラスして総額4,845万円の支払いだったということになります。手元には予備資金分を残し、その後余裕分は繰上返済をし、なるべく総返済額を少なくしていくという方法です。

1のメリットはとにかく総返済額が少なくなるということ。2のメリットは購入直後も予備資金があり万一の場合の対応力があること、毎月返済額が少ないので、返済期間中にわたり家計の波をコントロールしやすいことでしょう。

1と2のケースの総額の差は77万円。この差額を大きいと見るか、安全のための保険と見るかはそれぞれですが、一見非効率と見える借入額や返済期間を設定したとしても、その後の返済によって、ある程度は挽回できるのです。その上で、どんな返し方をしていくのか決めていきましょう。
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