マンション市場に異変!?

イメージフォト

イメージフォト

今月16日に発表された「首都圏のマンション市場動向」(不動産経済研究所)によれば、9月度の新築分譲マンションの供給戸数は3,366戸(前年比9.3%減)、契約率は69.3%で「需給共に不調」だったとまとめている。9月といえば、例年なら不動産市況の盛り上がり期。マンション市場に一体何が起きているのだろうか?

まず、震災の影響をもろに受けた昨年秋と比べ、供給戸数が10%も落ち込んだというのは意外である。さらに、数を抑えたにもかかわらず、成約率が「好不調のライン」とされる70%を下回ったことにも注視したい。大地震の影響で「新築マンションは耐震性が高い」と住み替えが進み、逆に需要が膨らんだとする見方もあったが、それも一時の現象だったのか。

同報告書によれば、「10月の発売戸数は5,000戸の見込み」とある。これは過去3年の同時期実績(2011年10月3,372戸、2010年同3,718戸、2009年同3,386戸)を見ても大幅増加の予測。その通りになれば、9月不調はたまたま「はざまだった」で片付けられる。が、一方でこんなデータもある。都区部の成約率は66.9%と全体平均を下回り、分譲単価も70.9万円/平米で前年比11.0%ダウン(全体では6.3%ダウン)。これまで首都圏を牽引してきた都心のマンションが、9月に限っていえば「値下がりが大きく、かつ売れていない」。

消費税増税の駆け込みは?

イメージフォト

イメージフォト

半年前、デベロッパー各社は震災後いち早く立ち直ったマンション市場の盤石さを強調していたように記憶している。大手の中には防災基準を抜本的に見直し、タワーマンションでも高層難民になりにくいよう対策を講じることで、信頼の維持に努めた企業もある。実際、湾岸エリアの超高層案件は堅調に推移しているものもあり、早急な対応が奏功したといえる。

さらに、業界の追い風となったのが消費税増税だ。2014年4月に8%、2015年10月に10%と二段階に分けた増税計画が、すでに駆け込み需要を生んでいるのではないかというのだ。現場の所長クラスから「明らかな傾向が出始めた」とは聞かないのだが、無言の後押しになっている可能性は誰も否定しない。

過去の増税(1997年4月)を振り返ってみれば、たしかに直前は活況を呈した。飛ぶように売れた、といっても過言ではないだろう。しかし、直後の冷え込みもすごかった。表面的な値下がり、表面化しない値引きなどなどを考慮すれば、果たして駆け込んだことが本当に得だったのか、といった印象さえする。今回はその教訓がどこまで市場に影響を与えるのだろうか。そんな見方が大勢ではある。