酒も、つまみも、蕎麦も……
季節はすっかり秋ですね。秋と言えば、新蕎麦の頃。現在では品種改良も進み、夏に出回る新蕎麦もありますが、やはりこの時期に楽しみたい食のひとつであることには変わりありません。今回は、昼からお酒も絶品のつまみも楽しめる、そんな蕎麦屋さんをご紹介したいと思います。
蕎肆 穂乃香
下町、両国に店を構える「
蕎肆 穂乃香(きょうし ほのか)」。こちらはお酒も酒肴も蕎麦も、一度で3味を楽しめるお店です。多少のうしろめたさを感じつつ、昼から呑むお酒の美味しいことといったら! さっそく、蕎麦の前に楽しみたい、つまみからご紹介しましょう。
絶品のつまみで蕎麦前を
まずは定番の「
だし巻き玉子」(700円)。注文してから焼き上げてくれるため、できたてホカホカ。1人前をふたり分に分けて盛りつけてくれるところにも、細やかな心遣いを感じます。さて、そのお味は? 口に含むとふわりと広がる玉子の優しい甘み。それを引き立てるのは鰹の風味が上品に香るお出汁です。どの蕎麦屋さんにもある王道のひと皿ですが、丁寧に作られたそのお味にさらなる期待が高まります。
だし巻き玉子 700円
さて、お次は日本酒にピタリとあう「
鴨吟醸」(950円)を。鴨肉の表面だけをさっと炙り、吟醸酒や醤油、味醂の自家製タレにつけ込んだもの。日本酒の香りが鴨肉にしみ込み、その旨味をいっそう膨らませています。中心はレア感を残し、しっとりとした舌触りも絶妙。
鴨吟醸 950円
もしお腹に余裕があれば「
そばがき」(750円)もどうぞ。こちらのそばがき、他店と違うのは、そのふっくら、もっちりとした食感。空気を含ませながら練り上げることで実現した、まるでマシュマロのような口どけなのです。ちょっと面白いのは、醤油の他に田楽味噌も添えられていること。味噌の風味が、蕎麦粉の香りと相まって、素朴な美味しさを演出してくれているのです。
そばがき 750円
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