照明・LED/照明・LED関連情報

LED化で快適に 航空機の照明最新事情(2ページ目)

海外旅行で何時間も狭い機内にいる場合、機内環境の整備が重要になります。なかでも照明は壁面や天井面を明るくする間接照明と手元のスポットライトのタスクアンビエント照明が主流ですが、LEDの導入によって生体リズムに考慮した光の変化なども取り入れられています。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

LED照明による光の制御 

電球色に変化

写真4.就寝前の温かい光

旅客機は限られた燃料と限られたスペースを、できるだけ有効活用する意味でLED照明はまさに理想的と言えます。特に長時間機内生活を余儀なくされる国際線では、多くの時間帯が時差をコントロールするために外光を遮断して、機内の明かりだけで生活します。

今までの蛍光灯による環境照明は就寝時間になると明るさを徐々に落として、やがて一部の灯りを残して真っ暗にします。映画などのアメニティを楽しむ人の一部や読書をする人は読書灯を利用します。そして目的地に近づくと環境照明が徐々に明るくなって、旅人は目覚めます。

 

窓から昼光を入れる時間帯は白い光

写真5.窓から昼光を入れる時間帯は白い光

外光が日中で明るい場合、急に窓のブラインドを全開させると明るさの差で目にストレスを与える恐れがあるため、到着直前まで機内の明るさに目が慣れるようブラインドは全開させないようにします。

LED化されている機内照明は、環境照明が調光の他に、白色から電球色に光色を変えることが可能になっています。たまたま乗った国際線の機内照明は就寝時間前になると電球色の機内が徐々に暗くなり、目覚めの時間帯には電球色から白色に光色を変え、明るくなっていきました。

 

機内の手元灯

写真6.モニターの下に手元灯が付いている

いわゆる生体リズムを意識した照明の変化が行われていたように思います。LED照明の国際線に何度か乗ったことがありますが、光色が変えられるにもかかわらず、そのような生体リズムに合った光の変化がない場合もありました。

また、天井に付く読書灯は、本来その席の読書部を照らすものですが、実際は隣の席で眠っている人に全く影響はないかと言えばそうではありません。隣どころか前後の席にも微妙に光が行きます。そこで、例えばビジネスクラスなどになるとアーム式の手元灯が付いて、本当に手元だけが明るくなるようになっています。

機種によってはエコノミークラスでも手元灯が別にビディオモニターの下に付いていて、しかも3段階の調光のできるものがあり、隣に迷惑をかけないような設備になっています。機内のLED照明化は単に照明機器の進化に留まらず、今後、照明手法や制御方法のソフト面での進化も期待されます。

【関連記事】
LED化が進む乗り物の照明
空の玄関口 世界の空港と照明

匿名で優良会社にリフォーム相談!

ホームプロでリフォーム会社を探す

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます