大人気のトルコ土産、絨毯・キリム
始めは買うつもりがなくても、トルコ絨毯の美しさを見ると思わず…… という人は多いもの
トルコのお土産の中で絶大な人気を誇るのが、トルコ絨毯やキリム。もはや芸術品の域にあるといっていいシルク絨毯や、羊飼い御用達のキュートなキリムたちを目の前で次々広げられると、思わず大人買いしてしまいたくなる気持ちがムクムク。ただしモノによってはかなり高級品の類なので、お店・絨毯の質・適正価格か否か、という部分をしっかり見極める必要があります。でも、絨毯・キリムの専門知識がある人はそうそういないもの。ここでは、そんなトルコ絨毯やキリムに関する基本情報をご紹介します。
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トルコ絨毯・キリムの歴史
キリムとは
遊牧民族御用達、キリム。絨毯のように毛足がなく、表も裏も同じ
キリムとは、遊牧民族がテント暮らしの中で使っていたウールの平織りのこと。薄手なので、ソファにかけたり収納袋にしたりテント内の仕切りにしたり寝具になったりと、使われ方は様々です。
これはキリムの裏側。右上がジジムで、左下がキリムなのが分かる
絨毯が縦糸に対して横糸を結んでは切り結んでは切り、と続けていくのに対し、キリムは縦糸に対し横糸を上下くぐらせていくだけのもの。なので絨毯のように毛足がない、薄手である、表と裏が同じ、色が変わる部分は切り返すので隙間が生じる、といった特徴があります。
キリムの仲間としてジジム、スマックもありますが、これらはそれぞれ織り方のテクニックの違いを表します。ジジムやスマックは、キリムの横糸の合間に経糸を通したり巻きつけたりしながら刺繍のように模様を施したモノなので、裏には結び目がたくさん出ています。ただし、これらを総称してキリム、と呼ぶ場合もあります。
チュバルとして使われていたであろうキリム&ジジム。真ん中が底の部分で、左右キリム部分は袋の口の部分
地方産のぼくとつとしたキリム各種には、ビビッドな赤がふんだんに取り入れられていたり、シャーマン的な模様が醸し出すキュートさが魅力。ユールックと呼ばれる遊牧民族が羊や牛を放牧する時に使っていたキリム袋「チュバル」を平坦にして敷物状にしたものだと、通常の絨毯サイズよりも細長いつくりになっており、一部キリムで一部がジジム、一部がスマック、といった織り方になっていることも珍しくありません。