トルコ絨毯・キリムの歴史

トルコ・イスラム美術博物館には古い絨毯コレクションが充実しており、別名絨毯博物館といわれるほど

トルコ・イスラム美術博物館には古い絨毯コレクションが充実しており、別名絨毯博物館といわれるほど

トルコ絨毯はペルシャ絨毯と並んで世界でもかなり有名な伝統芸術の一つ。マルコ・ポーロが「東方見聞録」の中で「コンヤ、カイセリ、シヴァスで織られた、緋色の絨毯が最も美しく優雅である」と述べたり、フランス人画家のゴーギャンが「色について学びたければ、トルコ絨毯を見ればいい」と述べるなど、世界中で昔から愛されてきたことも分かります。

そもそもの歴史は、遊牧民族だったトルコ人が中央アジアから移動するにあたり、女たちが羊の毛を紡い織物を織り、それがテント暮らしの中で役に立ってきたことから始まっています。こうして生活の中で重宝されてきた絨毯は、古くから大切な嫁入り道具の一つとして嫁ぎ先にも持参されてきました。

ちなみに、絨毯はトルコ語で「ハル」ですが、大昔は「カル」と呼ばれており、現在ペルシャ語でも絨毯は「カル」なのだとか。トルコの古い口承文学文献に「カル」という表現が出ていることから、おそらくペルシャよりトルコ絨毯の方が古い歴史を持っており、絨毯発祥の地もおそらく小アジアを中心とする地域ではないかといわれているそうです。

世界最古の絨毯はロシアに

現存する、世界最古の絨毯はロシア・サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館にある、紀元前5世紀の「パジリク絨毯」。文様からアケメネス朝ペルシャの絨毯かとも思われましたが、編み方がダブルノットとトルコ風であることから、当時中央アジアに住んでいたトルコ系民族が作ったのでは、という説も有力なのだそうです。

トルコ最古は美術館で

本物の絨毯をたっぷり見て、目を肥やして!

本物の絨毯をたっぷり見て、目を肥やして!

一方、トルコで発見された最も古い絨毯はイスタンブールのトルコ・イスラム美術博物館に収容されています。13世紀コンヤとベイシェヒルのモスクにあったもので、幾何学模様に古代アラビア文字、そして八角の星ギョルが特徴です。もしかしたら絨毯を1つは買って行きたいかも、という人は、まずこの博物館の絨毯・キリム展示を飽きるほど見て、見る目を養ってから行くのがおススメです。

<DATA>
Turk ve Islam Eserleri Muzesi (トルコ・イスラム美術博物館)
TEL:0212-518-1805
開館時間:9:00~17:00(月休)
アプローチ:トラムSultanahmet駅徒歩5分

様々な文化の影響を受けてきた絨毯の模様

絨毯の模様は、かつては遊牧民的でシャーマンなモチーフが幾何学的に織り込まれていましたが、トルコ人がイスラム教徒化すると、古代アラビア文字や預言者マホメットを象徴する文様が取りこまれ始めます。さらにオスマントルコ帝国に入ってビザンツ文化の影響が入り込むと、今度はその豊かなビザンツ芸術も模様に加わるようになり、帝国が巨大化するに従って占領下においた各国の美しい模様をどんどん取り入れていきます。こうして隣国ペルシャ絨毯やヨーロッパのバロックの影響も受けながら、様々な文化のモザイクとしてトルコ絨毯も発達し続けていきました。

トルコの絨毯やキリムについての詳細情報はこちら>>>トルコの絨毯・キリム
イスタンブールのおススメ絨毯店についてはこちら>>>イスタンブールの絨毯・キリム店
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