いい絨毯の見分け方

チュナル絨毯

素敵な絨毯を次々と出されてしまうと、何が良くて何が悪いのかなんてさっぱり…… というのが実情

絨毯の価格を決定するのは、下記のポイントだと言われています。

■1平方メートル内の結び目の数

ヘレケ34×34

こちらはヘレケの34×34。まるで絵画のような緻密さ!

世界的に絨毯は、1平方センチメートルに結び目がいくつあるか、でかなり価値が左右されます。このため、最近ではまるで絵画や写真のように繊細な模様のものも出てきており、中には1平方センチメートル内に35×35=1225の結び目がひしめくギネスブック級の最高級品も。 このように結び目の数が細かければ細かいほど値段は高くなりますが、あまりにも細かい絨毯は基本的に100%シルク製となるので、小さめサイズで壁飾りとして使われることがほとんど。そんなことより床に引いて、がっつり絨毯として楽しみたい人は、結び目の数よりも染色技術やウールの質にこだわる方が賢明です。

 

■糸の材質と染色
手触り

絨毯なら表面をなでてみる、キリムでは端に出ている糸束を手で触ってみるのも1つの方法

使われている糸がシルクか、ウールか、そして天然草木染めか化学染色かも価値に影響します。ただ、一概に高いモノがいいわけではなく、例えばシルクだと高級品ではありますが、天然染色がなかなかなじまないという難点も。

ウールでは手織りであることや染色技術が大切になってきます。なぜなら、機械織りや、化学的な染色の場合、どうしてもウールにキシキ シ・ゴワゴワ感が生じます。これはラノリンと呼ばれる羊の皮膚から出る脂肪性の分泌物で羊毛に蓄えられたものが、手織りや草木染めだとそのまま毛の中に残り絨毯として表面の手触りがしっとりとしたものになりますが、機械織りや化学染料の場合はこのラノリンが失われ、表面がガサガサとした印象になってしまうのです(ただし機械織りでは機械油のせいで一瞬べたっと感じることもありますが、機械臭があるので分かります)。また、化学染料の質の悪いものだと、洗った時に模様の色がうつってしまうことも。

アンティークと古い絨毯

左は約40年モノ、右は100年以上前のモノ。右の色のあでやかさは格別

ただし100年以上のアンティーク、またはあえて天然染色にこだわった新商品でない限り、100%草木染めというのは市場でなかなか見られません。元々技術的にもどんどん進歩していますし、化学的な染色が悪い、というわけでもないのですが、300年を超す100%草木染めのアンティークなどは、現在になってもあざやかな色が残っているところを見ると、天然の方には長年たっても色あせしないという特典があります。

 

■職人技術
ヘレケ裏

この最高級ヘレケ、なんと裏側です!

失敗ヘレケ

失敗作。左側が強く、右側がゆるく編まれているので、左右にあるひし形の大きさが異なってしまっている

シルクで細かい模様のヘレケなどを買う場合は、絨毯を織る職人技術が価値を大きく左右します。絨毯は裏側を見ると、その価値が分かるのだとか。質のいい絨毯は、表も裏も模様にほとんど違いがないのが特徴です。そして全体を見た時に、模様が上下・左右対称になっていることも大切。ヘレケは完成まで数年はかかる絨毯ですので、時によっては力がかかり過ぎたり、ゆるく編み過ぎたりすることもしばしば。このため時には全体で模様がゆがんできてしまう場合もあるのです。

 

失敗ヘレケ

こちらも失敗作の裏。織っている途中でタテ糸が切れたのか、結んで補修しており、直線模様が歪んでいる

絨毯のふちを囲む直線のまっすぐぶりなども要チェック。腕のいい職人が編んだ場合は常に一定の強さで編まれているので線がまっすぐになっていますが、そうでないと編む時にかかる強さが時によって異なってしまうので、直線部分がガタガタになってしまうものなのです。

最後、絨毯の表面の糸を切ってならす場合にも、所々切る深さが異なると表面のなだらかさが異なってきます。特に深く切り込み過ぎて基本の縦糸部分がうっすら見えてしまうようなものは失敗作です。

ただし、上記模様に関する条件は、あくまでもヘレケなど絹100%の細かい文様の絨毯について言えることです。一方キリムでは、模様の失敗作や左右不対象などはザラ。むしろ、その手作り感が人気を呼んで価値が上がることもありますので、それほど気にしないように。

※失敗作の写真は、ユーリックさんに参考に見せてもらったもので、売り物ではありません。
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