独自のMIDI機能を大きく強化
では、海外のDAWにはない、SSW(Singer Song Writer)独自の機能というのは、どんなものなのでしょうか?いろいろあるのですが、その象徴的なのがMIDI関連の機能です。もともとSSWは、まさに日本独自の打ち込み文化ともいえる、カモンミュージックのレコンポーザ形式の数値入力機能に対応したステップエディタを搭載しています。さらに遡ればRolandのMC-8やMC-4の系譜ともいえる数値入力方式ですね。
そして今回のSSW 10は、そのMIDI周りが大きく強化されています。一言でいえば、MIDIループ機能において、コード設定ができるようになったのです。そう、数多く用意されているMIDIループ素材を並べるだけで曲を構成していくことができるのですが、ここにコードを振れば、そのとおりにコード進行してくれるのです。
自分の作成したフレーズにコードを振って展開する
そして作ったループ素材を並べて、そこにコードを振っていくことができれば、曲制作の効率は飛躍的に向上するはずです。
とはいえ、「自動でのコード展開で納得のいくものになるのか……」と疑問に思う人もいるでしょう。その点においても抜かりありません。MIDIフレーズエディタなるものが装備されており、自在にエディットできるようになっているんですね。また、ループ素材を並べてあるフレーズトラックから通常のMIDIトラックへドラッグすれば、従来どおりのMIDIトラックとして普通にエディットもできるので、自由度は無限大です。
もちろん、こうした機能はSSW 10に備わったMIDI機能のほんの一例。MIDIレコーディングやエディットを効率よくできるための機能で、海外もののDAWにはない機能が数多く用意されているので、MIDI部分だけを見ても「買い」といえるソフトなのです。
【関連記事】
国産DAWとしての独自色を鮮明に打ち出してきたSinger Song Writer 10
シンセフェスタ2012で披露されたSSW 10のMIDIフレーズ機能