DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

国産DAWとして独自の進化をする、SingerSongWriter10(2ページ目)

事実上、唯一の国産DAWといえるインターネット社のSinger Song Writer。その最新バージョンとなる「SSW 10」が、11月にリリースされます。海外DAWとは異なる独自色を鮮明に打ち出したSSWについて紹介してみましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

独自のMIDI機能を大きく強化

では、海外のDAWにはない、SSW(Singer Song Writer)独自の機能というのは、どんなものなのでしょうか?

ステップエディタ

SSW10のステップエディタ

いろいろあるのですが、その象徴的なのがMIDI関連の機能です。もともとSSWは、まさに日本独自の打ち込み文化ともいえる、カモンミュージックのレコンポーザ形式の数値入力機能に対応したステップエディタを搭載しています。さらに遡ればRolandのMC-8やMC-4の系譜ともいえる数値入力方式ですね。

そして今回のSSW 10は、そのMIDI周りが大きく強化されています。一言でいえば、MIDIループ機能において、コード設定ができるようになったのです。そう、数多く用意されているMIDIループ素材を並べるだけで曲を構成していくことができるのですが、ここにコードを振れば、そのとおりにコード進行してくれるのです。

MIDIフレーズ

自分の作成したフレーズにコードを振って展開する

しかもそのMIDIループ素材は、用意されているものだけでなく、自分で作成することができるというのも大きなポイント。「予め用意されている素材では物足りない」、「自分の思うイメージに合うループ素材など、そうそうあるものではないので、使いたくない」という人も多いと思いますが、ループ素材そのものを自分で作れるとなれば、話は別ですよね。

そして作ったループ素材を並べて、そこにコードを振っていくことができれば、曲制作の効率は飛躍的に向上するはずです。

とはいえ、「自動でのコード展開で納得のいくものになるのか……」と疑問に思う人もいるでしょう。その点においても抜かりありません。MIDIフレーズエディタなるものが装備されており、自在にエディットできるようになっているんですね。また、ループ素材を並べてあるフレーズトラックから通常のMIDIトラックへドラッグすれば、従来どおりのMIDIトラックとして普通にエディットもできるので、自由度は無限大です。

もちろん、こうした機能はSSW 10に備わったMIDI機能のほんの一例。MIDIレコーディングやエディットを効率よくできるための機能で、海外もののDAWにはない機能が数多く用意されているので、MIDI部分だけを見ても「買い」といえるソフトなのです。

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