彼に依存され、彼女の生活はどう変わったの?
疲労と不安ばかりでは、生活に楽しみが感じられなくなる
彼の分まで生活費を稼ぎ、毎日が仕事漬け。お金に余裕がないので、生活の潤いや自分磨きに、まったくお金をかけられない。時間や気持ちの余裕もないので、友達と食事に行く気にもなれない。ヘトヘトで帰ってきても、家事は山積みのまま。毎日のように、彼のこと、生活のこと、将来のことで悩み、気持ちが晴れない・・・・・・。いつしか、このようにつらく苦しい生活に変わっているのではないでしょうか?
困ったときに支えあい、二馬力で苦労を乗り越えていくのがパートナーシップであるはず。自分でできることを一方に任せきり、自分で背負える荷物を一方だけに背負わせてしまったら、いつかその人は倒れてしまいます。
彼女に会うまでは、「男らしい働き者」という印象だった彼。彼が鎧を脱いだのは、それまで虚勢で生きてきた彼に、彼女がやすらぎを与え、弱い部分を許し、受け止めてくれたからでしょう。とはいえ、傷を受け止めて癒すことと、甘えを許し続けることは違います。際限なく許しすぎることが、相手の自立を壊してしまうことにもなるのです。
彼を変えるために必要なこととは?
自分自身で「変わりたい」と願うことが自立の始まり
今の関係と生活に限界を感じるなら、自分自身の行動を振り返ることです。「彼を助けるため」と思ってやってきたことが、実は彼の依存をエスカレートさせる原因になっていたのかもしれない、と気づくこと。つまり、イネイブリングへの気づきが必要です。
そして、できないこと、したくないことをはっきりさせることも必要です。「私は、あなたの求職中の生活を支えることはできる。でも、働く気のないあなたを食べさせていくことはできない」「あなたのわがままは、これ以上受け止められない。そのまま続けたいなら、一緒には暮らせない」というように、自分の気持ちをはっきりさせ、それを相手にも伝えることです。
一見、冷たいように思えるかもしれませんが、自分の気持ちを明確にし、相手にも伝えることが大切なけじめになるのです。そして、伝えたことは必ず実行すること。「彼がかわいそう」「彼だってつらい」と同情し、わがままを許していたら、元の木阿弥です。別れること、離れて暮らすことも覚悟して、きっぱりと伝えなければなりません。
堕落していく彼をいくら非難しても、その本人が「変わりたい」と本気で感じなければ、意味がないのです。つまり、依存や問題行動から生活を建て直すには、本人が本気で自立を考える必要があります。
そして、自立にはそれにふさわしい環境が必要です。わがままが許され、いつでも手を差し伸べられる環境にいては、本気で変わる気にはなれません。甘えと依存の関係に一線を引くことは、愛情と覚悟があればこそできる行動です。