世界遺産/インドの世界遺産

プランバナン寺院遺跡群/インドネシア(4ページ目)

インドネシア最大にして最高のヒンドゥー寺院といわれるロロ・ジョングラン、精緻なレリーフが美しい仏教寺院セウーをはじめ、アジア各地の宗教文化の粋を集めて建築されたプランバナンの寺院群。その地は多様な神々が集う聖地として神々しい空気に包まれている。今回はヒンドゥー教と仏教が混在したインドネシアの世界遺産「プランバナン寺院遺跡群」を紹介する。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

プランバナン寺院遺跡群の見所

シヴァ堂とナンディー堂

右のシヴァ堂の正面に、シヴァの乗り物であるナンディーの堂が左に建っている。このように3最高神とそれぞれの乗り物がペアを組んでいる

ブブラ寺院

基壇のみが残されたブブラ寺院

世界遺産にはプランバナン寺院遺跡公園内にある4つの寺院が登録されている。ここではその遺跡公園と、周辺にあるいくつかの寺院を紹介しよう。

■プランバナン寺院遺跡公園
○ロロ・ジョングラン寺院
プランバナン寺院とも呼ばれる。プランバナンを象徴する寺院で、ヒンドゥー教の3最高神を祀っている。完成当時は現在のプラットフォームを内苑として、256基の小堂を持つ220m四方の中苑、400m四方の外苑が取り囲んでいたという。1930年代にはじまった修復は現在も進行中だ。

 

○セウー寺院
セウー寺院の小堂群

セウー寺院の小堂群。壁面には仏像が描かれている

サンジャヤ朝のピカタン王がシャイレーンドラ朝の王女プラモダワルダニーと結婚する際に建てたといわれる170m四方の仏教寺院。「千の寺院」を意味するが、実際あるのは240基の小堂で、それぞれのお堂の内部には仏像が安置されていたものの、現在はほとんどが倒壊している。

○ルンブン寺院
シャイレーンドラ朝に捧げられたと見られる仏教寺院。中央のお堂といくつかの小堂以外は多くが倒壊している。セウー寺院やボロブドゥールと同じように、残された仏像のほとんどが頭部を落とされている。

 

○ブブラ寺院
シャイレーンドラ朝に寄進されたのは他の仏教寺院と同じ。ピラミッド型の基壇のみが残されている。

■遺跡公園外の寺院
プラオサン寺院

プラオサン寺院。主堂内に仏像が残っているし、田園風景も美しいので、ぜひ訪ねることをオススメする

○プラオサン寺院
ロロ・ジョングランから北東へ2kmほどの位置にある仏教寺院。ふたつの主堂からなり、内部には仏像やレリーフが収められている。周囲を取り囲む小堂や仏像群が充実しているほか、寺院周辺の農村風景がとても美しい。

○サリ寺院
ロロ・ジョングランから南西へ1.5kmほどの位置にある仏教寺院。壁面の彫刻やレリーフが美しい。

○カラサン寺院
サリ寺院の近くにある仏教寺院。この寺院もサンジャヤ朝とシャイレーンドラ朝の王家との結婚を記念して建てられたと伝えられている。仏教寺院ながらヒンドゥー教の神々が見られる点も特徴的だ。

 
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