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「予定通りにいかない……」を抜け出す、朝スケジュールの立て方

一日の終わりに「予定通りにいかない」「ああ、今日も何ひとつできなかった」と自己嫌悪……。こうした自己嫌悪を抜け出すには、朝のスケジュール方法を実践してみませんか? つい陥ってしまう「予定通りにいかない」からの抜け出し方をご紹介!

ももせ いづみ

執筆者:ももせ いづみ

時短生活ガイド

「予定通りに行かない」「何もできなかった」と感じる2つの理由

予定通りにいかない状態を抜け出す朝スケジュール法

今日も何もできずに一日が終わってしまった、と思う日ってありますよね。


アポイントなどの予定、移動や課題が多くて帰宅が遅くなるビジネスパーソンには、自由になる時間があまりありません。一方、家事育児などで家にいる時間が長い人や、決まった仕事を定時で終えられる人には、自由に采配できる時間がたっぷりあるように見えます。ところが実際には、「何もできなかった」と不全感を感じるのは、後者のような生活パターンを送っている人にも多いのです。時間があってもこのように感じてしまうのは、なぜなのでしょうか。

理由は2つあります。ひとつは、日々の生活パターンがルーティンワーク化している場合。日々同じことを繰り返していると、「できた」達成感が得にくくなります。特に、家事や育児などは仕事と違って他者からの確認や評価がないまま毎日繰り返されていくため、「できた」「終わった」と感じることも減っていきます。実際にはたくさんのことをしたのに、何もしていないと感じてしまう理由のひとつには、こうした「達成感の欠如」があります。
   

「スケジュールの計画通りにしなくちゃ」シグナルの落とし穴

「しなくちゃいけないこと」がたくさんあったはず。。。。と思ってしまうと、「何もできなかった自分」に不全感を感じるように

「しなくちゃいけないこと」がたくさんあったはず。。。。と思ってしまうと、「何もできなかった自分」に不全感を感じるように


「何もできなかった」と感じてしまう背景にも2つのパターンがあります。ひとつは、「しなくちゃけいけないこと」がいっぱいあったはずなのに、どれもできなかったと思う物理的なパターン。もう一つは、「何かしなくてはいけないのに、何も行動せずに一日が終わった。私はこのままでいいんだろうか」と思う心理的なケースです。

両者に共通しているのは、いずれも「何か」の内容が不明瞭だということ。しなくてはいけないことの中身は何なのか、これからすべきことは何なのか、きちんと把握できないままに、日々「しなくちゃ」というシグナルに追い立てられてしまうと、結局は「何もできていない」という不全感を抱えがち。こうした状況は「このままで自分は十分OK」という自己肯定感も失わせていってしまうので、要注意なのです。

私たちが漠然と思い浮かべている「しなくてはいけなかった何か」は、言葉や文字で整理してみると、それほどたくさんなかったり、やってみたら意外と簡単に終わってしまうことも多いものです。「何か」という形のないシグナルに脅やかされてしまわないためにも、「何もできなかった」症候群から抜け出すには、上記の2つに向きあってみればいいということになります。「達成感」が得られるようにすることと、「何をすべきか」が見えるようにするということです。
 

できなかったことより、できたことを数えよう

毎日定時に起きて会社に行っているということだけでも、とてもちゃんとしたすごいことなんです

毎日定時に会社に行っているということだけでも、とてもちゃんとしたすごいことなんです


何もしなかったと思う日でも、あなたは本当にたくさんのことが「できています」。ただ、それを「できた」と認識せず、できたことによる達成感を得られていないだけです。試しに、一日であなたがしたことをすべて書きだしてみてください。

純粋にしたことだけを文字にします。「上手に」作れたとか、「いつもより丁寧に」したなど、行動を評価や比較する言葉は使わないこと。
朝、目覚ましをかけた時間に起きたこと。顔を洗ってお化粧をしたこと。着替えてバッグの中身を確認したこと。遅刻せずに会社についたこと。すべてが「今日できたこと」です。そんな当たり前のこと、と思わないでください。起きれずに顔も洗わず、会社に行けない人だっているのです。

子どもに弁当を作り、洗濯をして、買い物をしてきた荷物を冷蔵庫に仕分けして入れ、定時に夕食を作り食器を洗う。おかずがマンネリでも、洗濯物を畳めていなくても、これだけだって十分にたくさんのことができていますよね。できなかったことより、できたことに目を向けて「日々できている」自分を認めてあげましょう。まずはここからです。
 

「予定通りに行かない」を抜け出す! 朝スケジュールのすすめ

バーチカルタイプの手帳

「朝スケ」に使うのは、バーチカルタイプと呼ばれる、時間軸が細かく書き込めるタイプのもの。主婦の人もこのタイプの手帳を常備して。

そして、ガイドが一番オススメしたいのが、その日の朝に、その日にすることを時間割にするという「朝スケジュール」、略して「朝スケ」です。写真のように、一日の時間軸がある「バーチカルタイプ」と呼ばれるスケジュール帳を使います。仕事のアポイントを書き込む手帳と別に作ってもよいでしょう。家にいる時間が長い主婦の人も、こうした手帳を1冊用意してテーブルの上に置いておきましょう。

ここに、その日の朝にその日にすることを書き込みます。その日の体調や気分、天気や家族の健康状態などと考えあわせて、予定を決めるのがコツです。そして、「今日したいこと」を優先して書き込んでいきます。「しなくちゃ」と思うことではなく、「したい」と思えることで一日の予定を決める。これがとても大切です。

決して前倒して先のことまで書き込み過ぎないこと。明日や明後日の予定を決めすぎてしまうと、「しなくちゃ」ならない予定に追い立てられてしまいます。からだや気持ちの状態もとても大切ですから、TO DOの中でも、無理せずしたいなと思えることから手をつけていくことで、前向きに取り組むことができようになっていきます。

実は大切なのはすべきことを探すよりも、「今日しなくてよいことはしない」決断をすることなのです。この決断をしない限り、家にいても会社にいても「しなくちゃシグナル」はあちこちから飛んできます。「朝スケ」で時間割を決めることは、今日すべきことを明確にした上で、「しなくてよいことはしない、考えない」ためにも有効な手段です。
 

計画通りにできたことは横線で消して達成感を蓄える

朝スケ

ガイドの「朝スケ」。家事も買い物も仕事もプライベートも、すべて時間割に。用事別に色分けするのもわかりやすくて◯。

たとえば右の写真はガイドのある一日。ゴミ出しやアイロン、犬の散歩も時間割に入っていたり、出かけたついでに買ってくるものなども書き込んであります。すべて、その日の朝に書き込んだもの。特に家事や家周りの用事は、漠然と取り組んでいると、終わりがないために「まだまだやることがたくさんある」と感じてしまいがちです。文字で書きだして「これだけをする」と決め、書いてあることだけに取り組むことで、時間の使い方が整理されていきます。

そして、できたことは横線で消していきましょう。ゴミ出しひとつでも、横線で消したりチェックを入れることで「できた!」という達成感が生まれていきます。できなかったことは無理せず、翌日以降にまわしていきます。

一週間のはじめに、おおまかなTO DOリストをその週のページの余白に作って、それを見ながら、朝できそうだと思う日の予定に落としこんでいくのもよいでしょう。こうした「朝スケ」を習慣にして、その日にすべきことを目視できるようにして、「できた」ことを数えていくことが、「今日も何もできなかった症候群」から抜け出す有効な方法ではないかと思います。
 

「今日もできた私」が、「もっとできる私」を作る

当たり前の毎日の中に、できていることがある。そう思えることから1歩を踏み出して。

当たり前の毎日の中に、できていることがある。そう思えることから1歩を踏み出して。


私たちはすでに、たくさんのことを毎日ちゃんとやっています。何もできていないと感じるのは、ただ「達成感」が不足していたことと、すべきことが整理できていなかったからにすぎないのかもしれません。「朝スケ」でその日に無理なく「したいな」と思えることを目視化して、できたことを数えて達成感を蓄えていくことは、「ちゃんとできている私」という、健康なセルフエスティーム(自己肯定感)を育てる力になっていきます。

このままではだめ、もっとちゃんとしなくちゃだめ。だからもっと頑張らなくちゃ、と思うよりも、今日も小さくできた私がいるから、明日もできそうだ。だから、あとほんのちょっと、あれもやってみればできるかもしれないな、と思えるほうが素敵だし、そのほうが楽しく長続きします。子育てや家事で自由時間がない、時間を無駄に使っているような気がする、という人はぜひ、「朝スケ」を試してみてくださいね!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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