運動と健康/運動のメリット・運動時間・強度・頻度

朝の運動で脳を活性化!基礎代謝を上げる効果も

【アスレティックトレーナーが解説】朝活には運動が効果的。朝の運動で脳が活性化し、基礎代謝も上がる効果もあることが報告されています。朝の運動が効果的な理由、メリット、上手に取り入れて代謝を上げるコツを解説します。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

朝の運動習慣で脳も活性化! 爽快感を得られる朝活

朝の運動効果

運動の効果は学習能力の向上にもつながる

書籍『脳を鍛えるには運動しかない!』(NHK出版/2009年)では、シカゴにあるネーパーヴィル・セントラル高校で行われている「0時限」の様子が紹介されています。

ここでは通常の授業が始まる前の「0時限」目に体を動かしランニングを行うことで、クラスそのものの学業成績が向上したということが報告されています。運動をすることで脳への血流が促進され、酸素やエネルギーが供給されることによって、脳は常に活発に活動している状態といえるでしょう。

悩みごとを抱えていたり、仕事の判断などで行き詰まっているときも、じっと座って考えるのではなく、立って動いたり歩いたりしてみることで思いがけないアイデアが浮かぶことがあります。これも運動による脳活性化によるものと考えられます。特に朝の時間に運動を行うと、頭がすっきりと冴えた状態で一日を過ごすことができるため、運動の効果がより長く続くことになります。

<目次>    

朝活の運動は腸にもよい? 生活リズムが整い便秘解消も

ご飯

運動後の朝食は格別おいしい

朝に運動をすすめる理由は他にもあります。起きてから体を適度に動かすと、空腹感を覚え、朝食をおいしく食べることができます。

起きた直後から何も食べずに運動することはあまりお薦めできませんが、水分補給とバナナなど糖分を含んだ手軽に食べられるものを取ってから体を動かすと、その後の食事をきちんと取ることにつながります。

朝食を欠食する習慣は、健康にも美容やダイエットといった観点からもなるべく避けたいところなので、三食しっかり食べることを習慣化するためにも、積極的に「朝活」での運動にトライしてみてください。

また運動をする際に体をひねらせるストレッチ動作などをいくつか取り入れてみましょう。特に腹部をひねる、伸ばすといった動作は胃腸を刺激し、ゆるやかなお通じにもつながります。朝、コップ一杯の水が胃腸を刺激することはよくいわれていることですが、体の脱水症状を予防し、運動とあわせることで便秘解消にもつながります。
 

朝活運動のメリット……一日中基礎代謝が高まった状態で過ごせる

コップ一杯の水

コップ一杯の水が朝のスイッチオン

体のリズムは交感神経・副交感神経という2つの自律神経によって支配されています。活発に活動しているときには交感神経が優位に、ゆったりしているときには副交感神経が優位に働いている状態です。交感神経が優位に働くと、血流が促進され、体内のエネルギーを消費する基礎代謝も上がるのですが、朝の運動はこうした交感神経への刺激によって基礎代謝を高める効果も期待できます。

交感神経を刺激するためにはコップ一杯の水を飲むこととあわせて、日光を浴びること、大きく深呼吸することなどさまざまなものがありますが、朝の運動はこうした交感神経を刺激する要素を多く含んでいます。屋外で運動する場合には日光を浴びることになりますし、たとえ屋内でもカーテンを開けるだけでその効果は十分に得られます。交感神経が優位に働いた状態で体を動かすと、血流が促進されて体の中からもエネルギーを消費しようとする状態が高まります。朝の運動はこうした基礎代謝に対しても持続的な影響をもたらすと考えられており、体重をコントロールしてやせたいと思っている人にとっては見逃せないメリットです。
 

朝の運動は「ムリなく・楽しく」が鉄則

朝の運動を始めるときはムリなくできる範囲で始めることが肝心です。起きてからしばらくは布団の上でストレッチするもよし、カーテンを開けて日光を浴びて背伸びから始めるもよし、それぞれ好きなスタイルで始めてみてください。屋外に出てウオーキングやランニングを行うのであれば、その前に軽く体を動かして準備運動をしてから始めましょう。また運動を始める前には水分補給とエネルギー源確保のために軽く何か食べてから始めるようにします。バナナなどのフルーツ類やヨーグルト、ゼリーなどは糖分を含むものが多く、手軽に食べられるのでお薦めです。

運動は健康や美容のためには必ず行いたい習慣であり、朝の運動はその効果がさらにアップ!となれば少し早起きしても始めたいところ。ただし気合いを入れて普段よりも1時間、2時間前に起きても続かなければ、あまりいい習慣とは言えません。ムリのない程度に20分、30分程度から早起きを始めてみて、生活リズムにあった運動を取り入れてみてくださいね。
  【関連記事】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます