10年後は、さらに賃貸環境は厳しくなる
利回りだけにとらわれず、貸しやすさや資産価値も重視
国立人口問題研究所発表のデータによれば、今後人口が減っていく中で15歳から64歳までの生産年齢人口は、平成22年の約8,170万人から平成32年には約7,340万人へと大きく減少します。今後さらに賃貸環境が厳しくなることが予想されます。賃料水準も大切ですが、将来も競争力あるマンションなのかどうかも大切なポイントでしょう。駅からの距離や街の将来性、住戸からの景色や日当たりといった面も購入と同様に賃貸の場合も大切になってきます。
また、資産価値を維持できるかも大切なポイントです。投資目的に買い手が限定されるワンルームマンションの価格が経年で大きく下がるように、実需層がリセールのターゲットにならないと価格が大きく下がる場合もあります。中古でのリセールのしやすさを考えると一定の広さは必要でしょう。
立地の良い中古マンションを購入することは、将来賃貸を考えるとありだと思います。価格も手ごろですし、築年数が古くても立地が良ければ十分賃貸可能です。完済までの期間も新築よりは短いでしょう。
最後に税金に関してですが、家賃収入などの不動産所得は、給与収入などと合算される総合課税になります。所得税は、累進課税ですので年収が高い方にとっては税負担が大きくなりますので留意ください。
私の意見ですが、自己資金中心で購入するなら別ですが、ローンを組んで買うならやはり自己利用をまずは前提にマンションは選ぶべきだと思います。あまり将来賃貸を考えすぎて、暮らしやすくなければ本末転倒でしょう。賃貸に出すのは資金に余裕がある人の選択肢。投資で買うのと自己利用で買うのでは、選択の基準も異なるでしょう。
コンパクトマンションの供給が増えている今だからこそ、よく将来の住み方・保有の仕方を考えてマンション選びを行ってください。
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