睡眠不足だけではありません
日本中を感動させてくれたリオデジャネイロ五輪が終わって、だいぶ経ちました。連日の睡眠不足から立ち直った人も、多いことでしょう。まだ元の睡眠リズムに戻っていない人は、もしかすると睡眠障害に陥っているのかもしれません。今回の五輪観戦のように、深夜から早朝に起きていることで、睡眠時間帯がずれてしまうことがあります。睡眠時間帯が遅いほうへずれて、夜更かしの朝寝坊が強くなる睡眠障害を 睡眠相後退症候群 といいます。逆に、睡眠時間帯が早いほうへずれて、極端な早寝早起きになる病気を 睡眠相前進症候群 と呼びます。
夜更かしの朝寝坊には生活習慣の改善を
いつまでも朝起きられないのは、病気かもしれません
休み中に深夜から早朝まで起きていて、昼過ぎまで眠る生活を続けていると、体内時計もそのような生活リズムになってしまいます。すると、休みが終わって学校や会社が始まっても、夜更かしで朝寝坊な生活から抜けられなくなるのです。
睡眠相後退症候群になると、朝、早い時刻に目覚められないので、学校や会社に行けなくなってしまいます。無理をして早い時刻に起きると、頭痛や頭が重い、食欲がない、疲れやすい、集中できないなどの症状も現れます。朝の体調不良が続くと、自信がなくなる、気持ちが落ち込む、ヤル気がなくなるなど抑うつ状態になることもあります。
一日でも早く睡眠相後退症候群から抜け出すためには、生活習慣を整える必要があります。まず、朝はなるべく一定の時刻に起きて、日光を十分浴びましょう。朝食も必ず摂ってください。日中には戸外で体を動かして、体温を上げることも大切です。夕食後はアルコールやカフェインを摂らず、寝つく予定の3時間前からは、照明を少しずつ暗くしましょう。光の刺激を避けるため、就寝直前にはテレビゲームやビデオ鑑賞をしてはいけません。
生活習慣を良くしても睡眠相後退症候群が良くならないときは、早めに睡眠障害専門の医療機関を受診しましょう。高照度光療法や時間療法、メラトニン療法など、専門的な治療が受けられます。
さらに詳しいことは、不眠・睡眠障害サイトの「休み明けに多い『睡眠相後退症候群』とは?」に書きました。興味がある方は、どうぞお読みください。
極端な早起きには光の調整を
光は体内時計を調整する最強の因子です
朝型人間になれたと喜ぶこともできますが、普通の人にはちょっと辛い生活パターンです。早起きした時間だけ早く眠ればよいのですが、いろいろな事情で遅い時刻まで眠れないと、どんどん睡眠不足がたまってしまいます。
睡眠相前進症候群になったら、浴びる光を調整する必要があります。朝に強い光を浴びると、早寝早起きが固定されてしまいます。朝にはサングラスなどを使って、強い光を見ないようにしましょう。逆に、夜に強い光を浴びると、睡眠時間帯が遅いほうにずれてくれます。強い光を出す高照度光装置は、ネットショップで数万円で買えます。病院へ行く時間がない人は、購入を検討しても良いでしょう。
睡眠障害の専門医療機関では、メラトニン療法を行われます。ただし、メラトニン療法は、薬の量や飲むタイミングに注意が必要なので、専門医の指示に従って行うことをお勧めします。
不眠・睡眠障害サイトの「朝活に有利? 究極の早寝早起き・睡眠相前進症候群」で、さらに詳しく解説しています。よろしければ、ご覧ください。
【関連サイト】
どこに行けばいいの? 睡眠障害専門医の探し方
高照度光療法
体内時計を整えスッキリ!すぐできるメラトニン快眠法