フレンチ/東京のレストラン

キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ(西新宿)

フランス三ツ星店唯一の海外店である新宿でガストロノミー(美食)伝統を守るトロワグロ。モダンで洗練された空間で楽しむのは料理とともにある時間。そしてホスピタリティ。長きに亘り日本を愛するトロワグロファミリーの愛情が注がれるレストランであって欲しい。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

現代風のフランス料理の極地

フランスはロアンヌにあるミシュラン三ツ星レストラン、メゾン・トロワグロ。その唯一の海外店がこのキュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロだ。ニューヨークでもなければ香港でもなく東京にガストロノミーレストランとカジュアルなカフェ・トロワグロ、そしてデリを小田急グループと長きに亘る関係を続け今日に至っていることは非常に珍しいケースかもしれない。
トロワグロ

シックでモダンな店内

料理のスタイルは変わらない。いわゆる現代風のフランス料理で、ソースというよりは素材の組み合わせ、調理法、創造性の重きが置かれる。なのでチーズをたらふく食べることがなければ食べ終わってももたれることがなく、おそらく極上のワインと共にしたとしたら心地良く眠りにつけるであろうトロワグロのガストロノミー。

ハイアットリージェンシー東京が9月末まで全館フランスの食と文化を楽しむ「French Touch」を開催していることにちなみ、フランス本家のシェフ、ミシェル・トロワグロの長男、セザール・トロワグロが来日し、日本で腕を振るった。

トロワグロ

26歳のセザールは3代目になるべく本家の厨房に立つ

数年前、リヨン郊外のポール・ボキューズで食事をしているときにお爺様であるピエール・トロワグロが現れたときは驚いた。たまたま遊びに来た際に遭遇したのは幸運だったわけだが孫のセザール曰く、「お爺ちゃんが自分で車を運転して遊びに出るなんて珍しいな」とのこと。お互い引退しつつも交友を続ける稀代のフランス料理人は今もご健在だ。

イタリア人の血を引くトロワグロ家はあくまで家族で関わりあえる形でレストランを続けている。それだけに海外に唯一存在するキュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロにはことのほか思い入れがあるようだ。
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