世界トップクラスの登録数を誇る。スペインの世界遺産

サグラダ・ファミリア

アントニオ・ガウディが手掛けた最後の作品、サグラダファミリア

2018年現在のスペインの世界遺産登録数はなんと46! イタリア、中国に次いで世界第三位の数を誇ります。そのうち文化遺産が40、自然遺産が4、複合遺産が2つ。圧倒的に多いのが、教会や聖堂などのモニュメントや建物です。

スペインの世界遺産は、北はカンタブリア州の1万6500年前の壁画があるアルタミラ洞窟、南はグラナダのアルハンブラ宮殿まで、南北東西各地に分散しているため、スペインを旅行すれば、ほぼ確実になんらかの世界遺産に遭遇できそうです。ここでは、数ある世界遺産が全てわかる一覧リストと、スペイン国外から見学に訪れる人が多いおすすめの世界遺産をいくつか紹介したいと思います。

スペインの世界遺産全46カ所一覧リスト

■文化遺産40カ所
世界遺産名 登録年
コルドバ歴史地区 1984年(1994年拡大)
グラナダのアルハンブラ、ヘネラリーフェ、アルバイシン 1984年(1994年拡大)
ブルゴス大聖堂 1984年
マドリードのエル・エスコリアル修道院とその遺跡 1984年
アントニ・ガウディの作品群 1984年(2005年拡大)
アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術 1985年(2008年拡大)
セゴビア旧市街と水道橋 1985年
オビエド歴史地区とアストゥリアス王国の建造物群 1985年(1998年拡大)
サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街) 1985年
アビラ旧市街と市壁外の教会 1985年
アラゴンのムデハル様式の建築物 1986年(2001年拡大)
古都トレド 1986年
カセレス旧市街 1986年
セビリャの大聖堂、アルカサル、インディアス古文書館 1987年
サラマンカの旧市街 1988年
ポブレー修道院 1991年
メリダの遺跡群 1993年
デサンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院 1993年
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 : カミーノ・フランセスとスペイン北部の巡礼路群 1993年
歴史的城塞都市クエンカ 1996年
バレンシアのラ・ロンハ・デ・ラ・セダ 1996年
ラス・メドゥラス 1997年
バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院 1997年
サン・ミジャンのユソ修道院とスソ修道院 1997年
コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵遺跡群 1998年(2010年拡大)
イベリア半島の地中海沿岸の岩絵 1998年
アルカラ・デ・エナーレスの大学と歴史地区 1998年
サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ 1999年
タラゴナの遺跡群 2000年
エルチェの椰子園 2000年
ルーゴのローマ城壁 2000年
バル・デ・ボイのカタルーニャ風ロマネスク様式教会群 2000年
アタプエルカの考古遺跡 2000年
アランフエスの文化的景観 2001年
ウベダとバエサのルネサンス様式の記念碑的建造物群 2003年
ビスカヤ橋 2006年
ヘラクレスの塔 2009年
トラムンタナ山脈の文化的景観 2011年
水銀の遺産アルマデンとイドリヤ 2012年
アンテケラのドルメン遺跡 2016年

■自然遺産4カ所
世界遺産名 登録年
ガラホナイ国立公園 1986年
ドニャーナ国立公園 1994年(2005年拡大)
テイデ国立公園 2007年
カルパチア山地とヨーロッパ他地域のブナ原生林 2007年(2011年、2017年拡大)

■複合遺産2カ所

世界遺産名 登録年
ピレネー山脈のペルデュ山 1997年(1999年拡大)
イビサ、生物多様性と文化 1999年


おすすめ世界遺産1.アントニオ・ガウディの建築群

カサ・ミラ

1階では期間限定の展示が無料、見所たくさんのカサ・ミラ

バルセロナがあるカタルーニャ州の観光集客数に大いに影響しているのが、20世紀初めに建てられたアントニオ・ガウディの建築物。愛する地中海の自然を取り込んだアントニオ・ガウディならではの建築物は、オリジナリティに溢れ、細部まで見所が詰まっています。ここではバルセロナ市内にある内部の見学ができる建築物をあげてみます。

一番の見所は、建築工事開始から135年以上経つ現在も未完の大教会、サグラダ・ファミリアは、一生に一度は見ておきたい大作。

サグラダ・ファミリア以外のガウディ建築は、現在も人が住んでいる集合住宅カサ・ミラ。石造りの波打つ建物は圧巻です。もう1つは、カサ・バトリョ。現在は観光施設ですが、ブルジョア階級のバトリョ家の邸宅として建てられました。処分される陶器やガラスを引き取って壁面に貼り付けたユニークなデコレーションが、通りからも目を引きます。

次いでは、まるでおとぎの国のテーマパークのようなグエル公園。敷地内に市場やホール、学校など全てを整えた広大な住宅施設のつもりで設計されましたが、結局住居が売れずに、後に公園になったというもの。海草をイメージした波打つベンチに腰かけて、バルセロナの街が一望できます。もう1つは、グエル邸。ガウディのパトロン、グエル氏の邸宅です。カラフルな破砕タイルを張りつけたきのこのような煙突が並ぶ屋上が印象的。

2017年に一般公開が開始されたカサ・ビセンスはガウディ初期の作品なので、他の建築物と異なる魅力があります。

その他カサ・カルベットやグエル別邸など内部が見学できない施設も市内にいくつかあります。また、バルセロナにはガウディ建築以外の世界遺産もあります。
詳しくはこちら>>>バルセロナのガウディ建築

<DATA>
  • Sagrada Famili (サグラダ・ファミリア)
    住所:Mallorca 401
    TEL:(34)93 207 3031
    開館時間:9:00~20:00(10月~19:00、11~2月~18:00)12月25・26日、1月1・6日は~14:00
    閉館日:なし
    料金:15ユーロ(塔へ上るならオーディオガイド付きの29ユーロ)
  • Casa Milà(カサ・ミラ)
    住所:Passeig de Gracia 92
    TEL:(34)902 400 973
    開館時間:9:00~18:30(入館可能は18:00まで)(11月6日~12月24日、1月4日~3月2日)9:00~20:30(12月26日~1月3日、3月3日~11月4日)
    閉館日:12月25日、1月8日~14日
    料金:22ユーロ
  • Casa Batlló(カサ・バトリョ)
    住所:Passeig de Gracia 43
    TEL:(34)93 216 0306
    開館時間:9:00~21:00(イレギュラーに9:00~14:00の日あり)
    閉館日:なし
    料金:24.50 ユーロ
  • Parque Guëll(パルケ・グエル)
    住所:Carrer de O'lot
    TEL:(34)93 484 5995
    開館時間:1月1日~2月16日8:30~18:30、2月17日~3月24日~19:00、3月25日~4月29日8:00~20:30、4月30日~8月26日8:00~21:30、8月27日~10月27日8:00~20:30、10月28日~12月31日8:30~18:30
    閉館日:なし
    料金:8.5ユーロ 、ガウディの住宅casa museo Gaudiは5.5ユーロ
  • Palau Guëll(パラウ・グエル)
    住所:Nou de la rambla 3-5
    TEL:(34)93 472 5775
    開館時間:10:00~20:00(4~10月)10:00~17:30(11~3月)
    閉館日:月曜、12月25・26日、1月1・6日、1月第三週
    料金:12ユーロ
  • Casa Vicens(カサ・ビセンス)
    住所:Carrer de les Carolines 20, Barcelona
    TEL:(34)935475980
    開館時間:10:00~20:00
    閉館日:12月25日、1月1、6日
    料金:16ユーロ

おすすめ世界遺産2.タラゴナの遺跡群

タラゴナ水道橋

数年前から通行が可能になった水道橋

バルセロナのお隣のタラゴナ県のタラゴナ市はローマ時代の遺跡の宝庫。紀元前200年もの昔に、ローマ帝国がスペインを侵略した際、タラコと呼んで拠点にした土地なので、スペイン最大のローマ遺跡が残っているのです。

1つは円形競技場。剣闘士や奴隷、猛獣の戦いがshowとして行われた場所です。もう1つは荷馬車の競争が行われた競技場シルク・ローマと長官公邸。内部にはローマ時代の壁画や大理石の銅像などが多く展示されており、見応えのある博物館になっています。さらに見逃せないのは、世界遺産に登録されているセゴビアの水道橋に次いで、スペインで2番目に大きい水道橋。人の手で積み上げられたことが信じられないほどの立派な石造りの橋です。

<DATA>
  • Anfiteatro(円形競技場)
    住所:Parque del Miracle Tarragona
    TEL:(34)97 724 2579
    開館時間:9:00~21:00(4月11日~9月30日月曜5月22日~9月11日は~15:00) 9:00~19:30(10月1日~4月10日土曜は~19:00)祝日、日曜9:00~15:00
    閉館日:5月22日~9月11日以外の月曜
    料金:3.30ユーロ
  • Circ Romano(シルク・ローマ) Pretori(長官公邸)
    住所:Plaza del Rey 5 Tarragona
    TEL:(34)97 722 1736
    開館時間:9:00~21:00祝日、日曜9:00~15:00(4月19日~9月30日) 9:00~19:00祝日、日曜10:00~15:00
    閉館日:5月22日~9月11日以外の月曜
    料金:3.30ユーロ(円形競技場にも入れます)
  • L’agueducte de les Ferreres (ラス・ファレラス水道橋)
    行き方:Pl.Imperial Tarraco(インペリアル・タラコ広場)からSan Salvador(サン・サルバドール)行きの5番バスに乗車、Ponte del diablo(ポンテ・デル・ディアブロ)にて下車(巡回バスのため、帰りも同じバス停から乗車)
    料金:無料

おすすめ世界遺産3.トレドの街

トレド

アーモンド菓子、マサパンの名産地でもある

街全体が世界遺産に登録されているのが、マドリード近郊の古都トレド。タホ川に周囲をぐるりと囲まれた小高い岩山に建設された街です。711年から400年もの間イスラム教徒に支配されていたこの街は、イスラム文化が残るだけでなく、ユダヤ人街、カトリックの歴史ある教会もある、様々な宗教がミックスしたオリジナルな街。石畳の小さな坂道が入り組む姿は、とてもフォトジェニック! 光と影のコントラストが美しいスペイン特有の風景です。

特筆すべき見所は、トレドを愛し長年ここで生活したクレタ島出身の有名画家、エル・グレコの作品がある、サント・トメ教会など。マドリードから電車で1時間ちょっとなので、マドリードに行くなら絶対に旅程に入れてください。

<DATA>
  • Iglesia de Sato Tomé(サント・トメ教会)
    住所:Calle Santo Tomé, s/n. - 45001 TOLEDO
    TEL:(34 )925 256 098
    開館時間:10:00 - 18:45(10月16日~2月28日月は~17:45)
    閉館日:12月25日、1月1日(12月24・31日は~13:00)
    料金:2.80ユーロ

おすすめ世界遺産4.アルカラ・デ・エナレスの大学と歴史地区

アルカラ大学

静かで時の流れを忘れるアルカラ大学内

マドリードを訪れたら、近郊の世界遺産の街を訪れたいもの。例えばアルカラ・デ・エナレスは、マドリードから国鉄RENFEで約45分。「ドンキホーテ」の作者、セルバンテスを生んだ古都の雰囲気いっぱいの歴史ある大学都市です。

街はこじんまりとしていてほのぼのとした雰囲気。セルバンテスの家やモニュメントなどの名所もありますが、見逃せないのは、アルカラ大学です。1499年に建築されたスペインで2番目に古い大学。外観だけでもインパクトがありますが、セルバンテスをはじめ多くのスペインの文化人を生み出した校内や講義室内も見学してみてください。

<DATA>
  • Universidad de Alcalá(アルカラ大学)
    住所:Plaza de San Diego s/n Alcalá de Henares
    TEL:(34) 918 856 487
    開館時間:11:00~19:00(大学内の部分によって異なる。ガイドツアーのみ)
    閉館日:4月21日
    入館料:7.5ューロ(大学内の部分によって異なる)

おすすめ世界遺産5.アファンフェスの文化的景観

王宮

きれいに整備された芝生や噴水の水の音が美しい庭も素敵な王宮

マドリード滞在の日程に余裕があれば、是非訪れてほしいのが、アランフエス。マドリードから国鉄RENFEで約1時間。16世紀に建設が開始された王宮とその庭園が美しい街。約200年かけて作られた大作です。宮廷関係者のみが居住できたとあり、独特の優美な雰囲気たっぷりの美しい街です。

<DATA>
  • Palacio real de Aranjuez(アランフエス王宮)
    住所:Plaza de parejas s/n Aranjuez
    TEL:(34) 918 911344
    開館時間:10:00~18:00(4~9月は~20:00)
    閉館日:1月1・6日、5月1日、8月31日、12月24・25・31日
    入館料:9ユーロ

おすすめ世界遺産6.グラナダのアルハンブラ宮殿&アルバイシン地区

アルハンブラ

アルハンブラ宮殿内の見所の1つ、ライオンの庭

南スペインを代表する歴史的宝庫がグラナダの街。この街を嫌いだと言う人はまずいないくらい、南スペイン最大の観光名所で、スペイン人が愛してやまない街です。そんな街並の中心的な建築物が、アルハンブラ宮殿。7世紀からスペインを支配していたイスラム王朝が、徐々に衰退の道をたどり、1492年にキリスト教徒の国土回復運動でスペインから撤退するまで、最後の砦としていたのが、アルハンブラ宮殿です。壁や天井の細かい模様など、天才的なイスラム文化の手仕事が詰まった傑作。

もう1つの世界遺産は、グラナダで最も古い地区、アルバイシン地区。アラブ人が多く住んでいたイスラム王朝統治下のままの家々が連なる丘です。丘の頂上にあるサン・ミゲル・バホ広場から、正面にアルハンブラ宮殿が見渡せます。その絶景はグラナダ名物の1つなので、お見落としないように!

詳細はこちら>>>アルハンブラ宮殿

<DATA>
  • La Alhambra(アルハンブラ宮殿)
    住所:C/Real de la Alhambra s/n Granada
    TEL:(34)958 544 00203
    開館時間:8:30~18:00(10月15日~3月31日)8:30~20:00(4月1日~10月14日)入場チケット記載の時間に入館できる
    閉館日:12月25日、1月1日
    料金:14ユーロ

おすすめ世界遺産7.サンティアゴ・デ・コンポステーラ旧市街

サンティアゴ

聖なる巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラ。しっとり落ち着いたたたずまいだ

こちらはスペイン北部を代表する重要な世界遺産。サンティアゴ・デ・コンポステーラは、バチカンやエルサレムに並び、国内だけでなく全世界のカトリック教徒がひっきりなしに訪れる聖地です。ちなみにフランスとの国境からスペイン北部を通って、サンティアゴ・デ・コンポステーラに続く巡礼道も、文化遺産として世界遺産に登録されています。

旧市街の中心になるのが、オブラドイロ広場とそこにあるサンティアゴ大聖堂。800キロメートルにも及ぶ長い巡礼道の最終地点でもあり、世界各国のカトリック信者や旅人がこの広場で集います。サンティアゴ大聖堂は、もとは9世紀末に建設され、その後1071~1152年に新たに作りなおされたロマネスク様式の傑作。巨大な聖堂の塔は小さな街のいたるところで目に付きます。

<DATA>
  • Catedral de Santiago(サンティアゴ大聖堂)
    住所:Praza das Praterías, s/n
    TEL:(34)98 158 3548
    開館時間:7?00~20:30
    閉館日:なし
    料金:12ユーロ

おすすめ世界遺産8.メリダの考古遺跡群

劇場

遺跡巡りだけでなく、バル巡りも楽しい田舎街

穴場ながら素晴らしいのが、エストレマドゥーラ州のメリダの考古遺跡群。メリダは徒歩で1日で回れるくらい小さな街なのですが、なんと全部で29ものローマ遺跡が散りばめられています。 円形劇場、ディアナ神殿、ローマ橋など歴史好きじゃなくても感動する歴史的建築物ばかり。円形劇場の近くにある国立ローマ博物館の展示物も見る価値ありです。


<DATA>
  • Teatro romano de Mérida(メリダのローマ劇場)
    住所:Plaza margarita Xirgu s/n Mérida
    TEL:(34) 924 004 908
    開館時間:9:00~18:30(4~9月~21:00)
    閉館日:12月24・25・31日、1月1日
    料金:15ユーロ(他のモニュメントとセット)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。