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これが、あの伝説の間取り “11フィートレジデンス”

90年代後半、マンション市場は消費税増税(3%から5%)や山一ショックの余派を受け低迷。ITバブルが唯一の明るい材料であったが、今から振り返ると、当時首都圏の地価は(マンション分譲単価と置き換えても良いが)、2002年の底を打つまで長らく下降線をたどっていた。そのなかにあって、工場街のイメージが残る大崎エリアで坪単価300前後という価格設定で業界を驚かせた物件があった。「ザ・パークタワー東京サウス」である。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

未来を形にしたタワーマンション

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タワーマンションを選ぶ上で、大事なことは何か。例えば眺望や構造、そして防災。たしかに眺望はタワーライフの最たる魅力であり、何が見えるかによって資産価値にも影響を及ぼす。構造は、耐震性や居住性など建物の善し悪しを決定づける基礎的な要素で、防災は昨今最も注目される条件のひとつに押し上げられた。

ただ、これからのタワー市場を占うにあたり、吟味すべきひとつは「間取り」。タワーマンションそのものが珍しく無くなったいま、眺望や構造だけで差別化をはかるのは難易度が高いといえる。だからこそ、肝心の住み心地をとことん追求しようではないかということだ。

住み心地に直結する要素はいくつかあるが、タワーほど「間取りの出来栄え」で優劣がはっきり分かれる建物は珍しい。そして、これも重要なポイントなのだが、設備や構造、防災などにくらべ、間取りだけは新しい物件が優れているとは言い難いのである。

「この間取りの特徴と思われる点を7つあげよ。」が、予想を大きく上回る閲覧数を示した。これは読者の間取りに対する関心の表れだろう。そこで、今回は「伝説の間取り」ともいうべきプランをひとつご紹介しよう。

地価が底をつく直前

「11フィートレジデンス」イメージイラスト

「11フィートレジデンス」
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マンション名は「ザ・パークタワー東京サウス」。住所は品川区東五反田。交通アクセスはJR山手線「大崎」駅から徒歩3分。大崎五反田地区再開発の一画である。建物は地上30階建て、総戸数は239戸。分譲主は三井不動産で竣工は2001年6月。

90年代後半、マンション市場は消費税増税(3%から5%)や山一ショックを受け、低迷。ITバブルが唯一の明るい材料であったが、今から振り返ると、首都圏の地価は(マンション分譲単価と置き換えても良いが)、2002年の底を打つまで下降線をたどっていた。そのなかにあって、当時工場街のイメージが残る大崎エリアで、坪単価300前後という価格設定で業界を驚かせたのが、この「ザ・パークタワー東京サウス」である。

しかし、モデルルーム公開でさらに驚愕したのは、その独創的な建物のプランニングである。4~17階(ベーシックフロア)では天井高(リビングダイニング)2,450mm~2,500mmと一般的な高さだが、19~27階(スカイハイプラン)では同2,550mm~2,650mm、29、30階(ペントハウス)は2,600mm~2,650mmに。そして18階と28階(11フィートレジデンス)では、同3,500mmという未体験の空間をしつらえたのである。

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