新築、中古という分け方ではなく、築年での違いを見る
新築とは、建物完成後1年以内で、居住者が未入居のものをいいます。一方、建物完成後1日でも人が住めば中古、また完成後未入居でも1年以上建てば中古とみなされます。更に、ひとくちに中古といっても、築1年以内のものから築50年を超えるものまで相当な幅があり、建てられた時期によっても、建物の特色は異なります。したがって、それらを「中古」でひとくくりにしてしまうのはやや乱暴な気がします。そこで、私は「建物」については、新築、中古という分け方ではなく、築年で物件の特色を比較していくほうが、違いがより具体的に把握できて、自分に合った物件が見分けやすくなると考えます。それでは、マンションを例に、築年による違いを見ていくことにしましょう。
建物の性能・品質は建築基準法などの規制で決まる
マンションの構造・性能・品質の違いは建てられた時の都市計画法や建築基準法などの規制に大きく影響されます。たとえば、耐震性でいえば1981年に、仙台沖地震を機に建築基準法が改正され、耐震基準が強化されました。そのため、1981年以前のマンションの耐震性は、旧耐震基準で建てられたために一般的に劣るとされています。そこで、建物の水準が大きく変わる節目となる築年時を整理した表をもとに、築年ごとの違いを明らかにしていきましょう。
1981年以前のマンションは……次のページ。