「いじめ」にかかわる集団極性化と傍観者効果

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いじめがエスカレートしてしまうのはどうして?

このように、集団心理はときに極端になることがあり、またそれを取り巻く傍観者も積極的な介入に踏みこみにくい、という特性があります。

たとえば、いじめの場合、最初は友だちの一人を冗談でかまっているだけのつもりが、同じようにかまう仲間が増えてくると集団極性化が起こり、あっという間に集団いじめに発展していくことがあります。このいじめが続くことで、果てには自殺にまで追いつめられてしまう事件もたくさん起こっています。

また、それを見ている傍観者の心理にも、「自分だけが目撃したわけではない」「誰も止めないなら、大した問題ではないのだろう」「止めに入れば、今度は自分がターゲットにされる」というように、責任分散、多元的無知、評価懸念という傍観者効果が生じて、問題を放置してしまいがちなのです。

問題の芽は小さいうちに摘む

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集団心理の特性に気付き、気づいたらやめる、やめさせる、誰かに相談する

したがって、こうした集団心理の特性をよく理解し、小さな事件が大きな問題へとエスカレートする前に、今起こっている現象をよく検討する必要があります。

自分自身が加害者になる可能性を少しでも感じたら、そこで立ち止まり、ただちにその行動を止めること。「集団極性化」のリスクを説明して、仲間にもやめさせること。反対に、被害者になってしまう可能性を感じたら、ただちに信頼できる人に(効果がなければ、複数の人や機関に)相談し、1人で抱えないこと。

そして、見ている側も傍観者効果によって被害を放置してしまうリスクに気づき、周りの傍観者と相談して一緒に止めに入ること。あるいは信頼できる人、機関に相談して一緒に対策を考えること。

こうしたことを頭に入れておけば、事態のエスカレートを防ぐことができると思います。世の中を驚かせる大きな事件は、意外にささいなことから発生することが多いものです。集団効果でその問題を大きく発展させることのないように、一人ひとりが集団心理の特性を理解しておくことが、大切なリスク管理につながるのではないかと思います。
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