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靴ずれについて、深く考えてみる その1

夏の足元の二大脅威である「臭い」と「靴ずれ」。前者は以前詳しく解説しましたので、今回は後者=靴ずれについて考察してみたいと思います。どうして起きてしまうのか、そして対応策について等々を要因別に見てまいります。

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

夏の足の、もう一つの大敵!

エスパドリーユ

エスパドリーユは夏場に履きたくなるカジュアルシューズの代表。サラサラしたジュート製のインソールの感触は、絶対に素足履きで味わうのがおすすめですが……。左右を同じ形で作る靴のためか、履き慣れるまでに大抵、各所に靴ずれを起こしてしまうのです!

身体も足もジメジメする暑い時季がやって来ました。ビジネスの場面ではともかくとして、気楽な休日ならばローファーや、上の写真のようなエスパドリーユを素足で履きたくなるのも人情でしょう。ただ、素足履きをしてしまうと足に大きなリスクを2つ、負うことになるのも事実。

一つ目は言わずもがなの「汗と臭い」。これが気になって素足履き断固拒否の方も多いようですが、発生のメカニズムと対処方法は以前の記事でご紹介致しました。そしてもう一つのリスクは、そう「靴ずれ」です。靴下で足が保護されていないので、当然ながらその危険度は高まる訳ですが、冷静に考えてみると、靴下をちゃんと履いていても起きる時には起きてしまいますよね。それも結構悲惨に。どうしてでしょうか?

最初に定義から話を致しますと、「靴ずれ」とは、足の一部と履いている靴の一部とが不自然な摩擦を継続的に起こした結果、その箇所の足の表皮に発した炎症を指します。かかと部周辺に起こる印象が強いですが、理論上は足のどの部分にも起こり得るトラブルです。はじめに妙なムズムズがあって、「なんとかなるさ……」と油断と我慢をしていると、場合によっては激痛と血の海に襲われ歩行自体が困難になってしまうのみならず、その血が靴に付着して取れなくなってしまう等、なかなかに厄介な現象です。

ちなみに血液はその成分構成上、革であれ繊維であれ靴の素材から最も取り難い汚れで、一度付いたら完璧な除去は難度を極めますので、用心に越したことはありません。そう言えば以前、イタリアの某タンナーが牛の血を添加して牛革を鞣していたなんて言う話を伺ったことがありますが、それもひょっとすると血の革に対する「着色性」に目を付けたのかも? 余談はさておき、靴ずれが起きてしまう原因は大きく分けて2つ存在します。
原因1. 足の形状や状態そのものに、何らかの問題がある時
原因2. 足と靴との「相性」に、何らかの問題がある時
です。実際は1.と2.が複合的に絡んで起こる場合も多々あるのですが、それぞれ以下、具体的な事例並びに解決方法を挙げつつ話を進めてみましょう。


次のページでは、まず足に問題がある場合から!
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