ブルガリア正教会の総本山、世界遺産「リラ修道院」
白黒と紅白のストライプが鮮やかなリラ修道院の聖母教会。リラ修道院自然公園の山々とのコントラストが美しい
周囲を城壁で囲い、要塞のような堅牢さを誇る一方で、ストライプの外観と極彩色の内装を持つ教会はとてもキュートで素朴。他に例のない不思議な空間だ。今回はそんなブルガリアの世界遺産「リラ修道院」を紹介する。
地獄絵図を思わせるリラ修道院のフレスコ画
天井・壁・柱・ドーム・梁を隙間なく埋め尽くす、聖母教会・列柱廊のフレスコ画
剣を持って悪魔と戦う大天使ミカエル
大聖堂や教会は世界中で見てきたが、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂やフィレンツェのドゥオーモ、パリのノートルダム大聖堂に代表されるように、アーティスティックなデザインと神秘的な光の演出で、神を華麗かつ重厚に描き出すものが多かった。
でも、リラ修道院はまったく違う。
悪魔をこらしめる天使と聖職者
そして絵の内容がまた異様。もちろんイエスや12使徒がその中心を飾ってはいるのだが、その周囲には百鬼夜行に出てくる餓鬼やキングギドラのような龍、ユニコーンのような一角獣や人を飲み込む怪魚まで描かれている。まるで仏教寺院の地獄絵図やギリシア神話の英雄譚のようだ。