愛と美の都フィレンツェ

ジョットの鐘楼からの眺め

ジョットの鐘楼からの眺め。花の聖母の名を持つサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラ(ドーム)とフィレンツェの街並み

フィレンツェの街並みは美しく、喜びにあふれ、楽しさに満ちている。中世フィレンツェの人々は、美や喜びといった感覚・感情を最大限に活用し、フィレンツェを類まれな美都市へと進化させていった。

今回はルネサンス発祥の地、イタリアの世界遺産「フィレンツェ歴史地区」をご案内する。後半にフィレンツェの名所BEST10も掲載!

ギリシア・ローマからキリスト教を経てルネサンスへ

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のクーポラ

大聖堂のクーポラ(ドーム)内部、ヴァザーリ作「最後の審判」。世界の終わりに神が全人類を復活させて裁く様子を描いたもの

サイドから見たサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂

サイドから見た大聖堂

まずはルネサンスの歴史を紹介しよう。ルネサンスとは「再生」の意味だけれど、いったい何を再生したかったのだろう?

ヨーロッパで人間の知性と感性が最初に爆発したのは古代ギリシアだ。建築や彫刻、文学、哲学、自然科学……ギリシアで花開いた文明・文化は現在までの人類の進歩・発展を決定づけた。この伝統はローマに受け継がれるが、やがてキリスト教が広まり人々の生活に根づくと、すべてにおいて宗教が中心的な役割を果たす。

 

この世の生活はあの世への修行の場へと化し、個人の感覚・感情は厳しく制限・管理されるようになる。科学でさえ教会に管理されるようになり、ギリシア時代に生まれた民主主義や地動説、原子説といった成果はその後約2千年間も封印されることになる。