シンガポール映画祭でセクシュアルマイノリティの映画が上映
5月12日(土)からスタートするシンガポール映画祭@シネマート六本木で、ゲイやトランスジェンダーが登場する映画がいくつも上映されます。シネマート六本木といえば、昨年、アジアンクィア映画祭の会場となっていた映画館ですが、5月12日(土)から20日(日)まで、ここでSintok(Singapore Film Festival Tokyo)2012=シンガポール映画祭が開催されます。
シンガポール映画祭は、2009年の初開催時にオープンリー・ゲイの若手監督、ブー・ジュンフェンの特集上映が組まれ(『タンジョン・ルー』『家族の肖像』『カトーン・フーガ』といった東京国際レズビアン&ゲイ映画祭などでも上映されたゲイ映画が多数)、監督も来日を果たしたことで話題になりました。以降、毎回、何かしらセクシュアルマイノリティに関する作品が上映されてきている、一般の映画祭としておそらく最もレインボーな映画祭になっています。
今回もLGBT(セクシュアルマイノリティ)に関連した作品がいくつも上映されます。
たとえば、『海南、潮州と白いブラ』は、昨年のアジアンクィア映画祭でもオープニングを飾った作品で、トランスジェンダー(FTMの方とMTFの方)が主人公のハートウォーミングなコメディです。
『アーミー・デイズ』は、アッパーミドルの中国系、ラップ好きのマレー系、ボリウッドのスターを気取るインド系、ゲイなど、さまざまな社会階層、さまざまなバックグラウンドを持つ18歳の少年たちの兵役の日々を綴る作品で、若者を中心に大きな支持を得た大ヒット・コメディです。
『オートプシー・解剖』は、「Sintok2012近作短編傑作選」で上映される8作品の中の1本です。ゲイである自分に真摯に向き合う作品を数多く発表してきたルオ・ズーハン監督の作品で、母親との会話をドキュメントしたものだそうです。
『15: The Movie』は、思春期の頃の同性愛感情が描かれているそうです。監督は、シンガポールで最も期待されている若手映像作家で『タイム』誌の「アジアのヒーロー20人」にも選ばれたロイストン・タン。ゲイを真っ向から描いた『アニバーサリー』という短篇も撮っています。
『Sandcastle』は、先にご紹介したブー・ジュンフェン監督の長編デビュー作であり、日本初上映、そして今回の映画祭のトリを飾る作品です(2010年カンヌ国際映画祭批評家週間でも上映されています)。直接的にセクシュアリティのことが描かれているわけではないのですが、若いイケメンを主人公に、繊細さと同居する強い意志という、ブー監督の個性がよく表れた作品です。
興味のある方、ぜひ足を運んでみてください。
※今回は「じゅんとあさこのお気に召すまま」はお休みします。また次回!