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適量なら「お酒」は体にいい。では、髪の毛には?
「百薬の長・酒」は髪の毛の薬にもなる?
というのは、適量のお酒は動脈硬化を防ぎ、善玉コレステロール値を上昇させる効果があると考えられているからです。「適量」とは具体的にどのくらいの量なのでしょうか? もちろん個人差はありますが、例えば日本酒では、1日1~2合となるようです。
さて、適量を守れば体にはいいとしても、抜け毛・薄毛改善、発毛・育毛促進の面ではどうなのでしょうか。イメージとして、「お酒は薄毛男性の敵」と考えられそうですが、日本酒を熱カンで飲めば、胃の知覚神経が刺激されて全身のIGF-Iを増やすことが十分に期待できるのです。
日本酒風呂も抜け毛・薄毛改善につながる
日本酒を飲むならこれからは熱カンで
では、なぜ「冷や」ではなく「熱カン」なのでしょうか。答えは非常にシンプル。温度が高いほうが胃の知覚神経がより刺激されやすく、IGF-I増加に効果的と考えられるからです。
ちなみに、日本酒を約50倍に薄めて肌に塗れば、皮膚のIGF-Iを増やすことにも期待できます。
本サイトでは、発毛・育毛を促す生活習慣としてシャワーではなく入浴を推奨してきました。この日本酒の効能も加味して考えると、
- 日本酒を約50倍に薄めた“酒風呂”をやや熱めにしてじっくり入浴する
- 酒風呂のお湯で濡らしたタオルを頭に乗せる
ビール原材料のホップに含まれる物質にIGF-Iの増加作用が
ビール党にも朗報
ビールの主原料が、ビール大麦(麦芽)とホップであることはご存じの方も多いでしょう。ビールは、発芽させたビール大麦に苦みや香りをつけるためにホップを加え、さらにビール酵母を加えることでアルコール発酵させます。この時点で二酸化炭素が発生しビールに溶け込み、ビール独特の発泡性が生まれるのです(ちなみに発泡酒は麦芽の比率を低くしたもの)。
ホップには「ゲラニオール」というバラの香りの成分でもある物質が含まれており、ビールの香りの源になっています。実はこのゲラニオールにも、知覚神経を刺激する作用があることが判明しています。また、炭酸水が胃の知覚神経を刺激して、全身のIGF-Iを増やす可能性が高いこともわかっています。さらに、5%のアルコール(エタノール)も知覚神経を刺激します。
そう、ビールを飲めば、ゲラニオール、炭酸、アルコールの3つが胃の知覚神経を刺激し、IGF-Iを増やすと考えられるのです(ビールには抜け毛・薄毛の大敵であるストレスを和らげる効果もあります)。
ちなみに、最近大人気のノンアルコールビールも炭酸とホップが主原料ですから、ビールが飲めないという方はこちらでもいいかもしれませんね。
赤ワインに含まれるレスベラトロールがいい“仕事”をしてくれる
これからは、ワインを飲むときは迷わず「赤」を選びましょう
最後はワイン。ワインといえば、赤ワインに含まれる「ポリフェノール」が健康維持、促進につながることは20年ほど前からいわれています。ポリフェノールは抗酸化力が強いため、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールの酸化を抑え、がんや老化の原因になる酸化反応を防ぐなどの効能があるのです。
では、抜け毛・薄毛の改善、発毛・育毛促進という点では、ポリフェノールは“仕事”をしてくれるのでしょうか? 答えはYES。私の実験の結果、厳密にはポリフェノールの一種である「レスベラトロール」が胃腸で知覚神経を刺激し、体内のIGF-Iを増やす可能性が高いこと が判明しました。産地別に調べると、ブルガリア産の赤ワインが比較的多くのレスベラトロールを含むそうなので、店頭で買う際、参考にしてください。
お酒がIGF-Iを増やし、抜け毛・薄毛を改善、育毛・発毛を促進するのは、この記事で紹介したとおり、明らかなこと。ただし、繰り返しますが「適量」を守ってこそです。最後にその目安をまとめておきましょう。
- 日本酒は1~2合程度
- ビールは中ビン(500ミリリットル)1本
- 赤ワイン(ワイン)はグラス2杯程度(240ミリリットル)
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