「中立的な立場」でアドバイス
飯野貴之氏(三井不動産レジデンシャル)は、ハウスメーカー、リフォーム会社、そしてマンションデベロッパーと広く住宅業界に携わってこられた経験を持つ。10数年もの間、住宅産業を見てきたなかで「最近の顧客思考はどのように変化していると感じますか?」と聞いてみた。三井不動産レジデンシャル ソリューション営業本部 飯野貴之氏
「漠然と迷われている方が増えてきているような気がします」(飯野氏)。震災、資産価値、質の追求などいろんなキーワードがあって何を基準にして良いのか、判断しかねているような雰囲気を感じ取る。ただ、たしかな傾向として実感しているのは、「賃貸からの住み替えニーズ」。今年に入って「やっぱり地震に強い新築マンションを選ぼうというお客様が増えましたね」(同)。
「接客の際に気を付けていることは何ですか?」の質問には即答、「中立的な立場でアドバイスすること」(同)。「お客様が本当に納得して、自分の意思で決断できるように、中立的な立場で丁寧にアドバイスすることが我々の役割だと思っています」。かなり以前は、電話がけや訪問セールスが盛んだったこともあるマンション販売だが、「一歩引いた冷静で客観的な立場」での関係性を顧客は望んでいる。
固定観念を取り払うことも重要
三井不動産レジデンシャル ソリューション営業本部 飯野貴之氏
“住宅は、住んでから本当の付き合いがはじまる”。住宅メーカーがよく使うコピーだが、これは事実である。空間として満足いくかどうかはモノ次第だが、住み始めて1、2年目に多い不具合の対応やメンテナンスの指導などを親身になってくれるかどうかは買う段階ではわからない。
運命の出会いが、マイホームの世界でもあるとすれば、それは物件だけではなくて、人との出会いであり、住宅メーカーとの出会いである。法人を相対で判断することは難しいから、正面に座った営業マンを見るしかない。あなたと出会えてよかった、と思う人に巡りたいものである。
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