労務管理/人事賃金制度

目標管理制度で業績・モチベーションUP(2ページ目)

成果主義人事制度を効果的に行うためには、人事考課を実施する必要があります。今回の「目標管理制度」を活用することで実効性を高めていきましょう。本記事で企業業績と従業員のモチベーションUPのポイントを確認してください。

小岩 和男

執筆者:小岩 和男

労務管理ガイド

Do(実施段階)のポイント

1.目標進捗段階で進捗管理をします

上司との進捗面談で、目標達成に一歩ずつ近づきます

上司との進捗面談で、目標達成に一歩ずつ近づきます

設定された目標を実行していくためには、その都度進捗状況を確認していく必要があります。また実際には期中内で実行中、重要、緊急な職務が発生することもよくあります。最初に設定した目標の進捗状況+その後発生した重要・緊急職務状況の進捗管理です。

この進捗管理がないと制度は形骸化してしまいます。期中内で、月1回、毎週・隔週ごとなど、上司との面談(助言・アドバイス)を受けることです。

2.進捗管理こそ成果主義の勘所

進捗管理は上司との中間面談。目標の達成度を確認するために必要です。面談サイクルは定期的に期日を決めておくとよいでしょう。期日がないと先延ばしになり、結局未達になってしまうことにもなりかねません。

この進捗管理は、まだ期中内ですから、評価の場ではありません。次の視点で行いましょう。
  • 本人から進捗状況を報告させること
  • 問題点があれば浮き彫りにする
  • どうすれば目標達成ができるか、方法を確認する
  • 上司は、アドバイス・サポート役。命令ではなく自身でその後の行動計画を修正させる
  • 進捗管理シートを作成し、面談内容(上司のアドバイスなど)を記載しておく
命令口調で管理をしていくと、自主性はなくなってしまいます。自身に期待されている役割を自身で管理していく姿勢こそ「成果を生み出す制度」です。進捗管理をするからこそ、目標達成も可能になるのです。また、上司との信頼関係構築にもつながりますね。プロセスを上司がしっかり把握してくれることは、大きな動機づけになります。

See(目標達成評価段階)のポイント

評価期間が終われば、設定した目標が達成されたかどうか評価をします。この評価結果により給与・賞与などの処遇に反映します。従業員が自分で設定した目標ですから、まずは自己評価が不可欠。また、能力開発の側面を忘れてはなりません。

次のプロセスで行います。
  • 従業員が自分で自己評価をする
  • 上司による評価を行う
  • 上司との評価面談を行う
1.従業員・上司、互いの評価結果の認識を確認し評価を決定する

前記の進捗管理で面談を都度していますから、認識のギャップも埋まりやすくなります。実際に達成された事実に基づいて検証をします。

■「絶対評価」だけではなく、「貢献度評価」も大事

設定された目標が、達成されたかどうかで絶対評価が大原則。ただし前記の目標管理の設定面談では、企業の状況によっては必ずしも役割どおりの目標設定ではない場合もあるのも事実でしょう。たとえば、他に任せられる者がいないため、本人の役割等級より高い目標を設定した場合などです。

未達であっても高い目標にチャレンジしていますね。この場合単純に「未達」と評価するのではなく、貢献度を加味した評価で決定することが勘所です。そうしないと、チャレンジすべき目標自体が無難な内容になってしまいます。前記進捗管理が、その評価の妥当性を担保してくれることでしょう。

2.評価結果のフィードバック

決定された最終評価を従業員に伝えます。結果とその根拠を伝えることです。上司との信頼関係が築けていれば納得性は高まりますね。振り返りをすることで、プラス・マイナス要因がハッキリしますから、今後の能力開発に何が必要なのかも明確になります。

実はフィードバックの主目的は、従業員自らの気づきを促すことなのです。すなわち「動機づけ」の場と言っても過言ではありません。まさに、ここが成果を生み出す制度たる所以なのですね。

目標管理制度を実のある制度とするために

1.従業員全員参加型の制度
上からの指示命令の意識ではなく、経営に参加している実感を持たせることです。そのために自主性に任せることです。上司はサポート役に徹するのです。依存的な姿勢から能動的な姿勢へ意識が転換していけば、企業と従業員のWIN-WINの関係に直結です。

2.分かりやすいルール
どうすれば成果が上がるか、進捗管理などのルールが明確であれば納得性も高まります。やってもやらなくても同じ、という意識はルールが不透明だからです。これを給与・賞与への処遇にきちんとつなげていくことです。

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