建売住宅や新築分譲マンション、あるいは中古住宅などを購入するときは、その物件の良し悪しを判断しながら、自分の条件に合ったものを選ぶことになります。

ところが、土地を購入して家を建てるときは、希望する家が建てられる土地かどうかの判断に始まり、設計の段取り、建築会社の選定、建築請負契約など、通常の住宅購入とは異なる要素が少なくありません。

また、目的に合った土地を選ぶためには、建築に関する知識もそれなりに必要となるほか、資金計画なども複雑になるため、事前の準備や確認も大切になってきます。

今回は、住宅を建築するための土地を購入するときの流れや段取り、注意点などを中心にみていくことにしましょう。


土地探しの前準備

土地

土地購入にはある程度の知識が必要で、さまざまな段取りも伴う

どんなに立地条件が良く、生活環境に優れた土地であっても、自分の目的や希望する条件に合う家を建てることができないのであれば意味がありません。

住宅など建物を建築する際には、建築基準法をはじめとしてさまざまな制限があるため、これらの法律について最低限の知識を得ておくことが必要です。

多くの土地情報を取捨選択していくためにも、少なくとも次の4つの規定については、土地探しを始める前によく理解しておくようにしましょう。

用途地域
建ぺい率
容積率
敷地の接道義務

これらの規定の内容について、詳しくは ≪土地探しの前に知っておきたい予備知識≫ をご参照ください。

また、自分が「どんな住宅を建てたいのか」、あるいは資金的に「どんな住宅なら建てられるのか」は、単純に頭の中で考えていてもなかなか具体的なイメージがわかないことでしょう。

近くの書店に行けば、住宅建築に関するさまざまな書籍や雑誌、ムック本などが並んでいるはずです。まずは写真や図解が多く、視覚的に分かりやすいものを選んで、ながめてみるだけでも構いません。

自分のイメージが固まっていくのに合わせて、それに沿った内容のものを2冊目、3冊目と買い求めていけば、より理解が深まることでしょう。

最寄りの住宅展示場などへ何度か足を運び、最新の住宅設備がどうなっているのか、構造の違いはどうかなど、さまざまな情報を実際に自分の目で見て確かめておくことも有用です。


土地購入から建築着工までの主な流れ

土地を購入するときから、その土地での建築工事に着工するまでの主な流れは次のようになりますが、実際の場面ではそれぞれのケースに応じて順序が前後する場合もあります。

購入する土地を探す、選ぶ
  候補となる土地を絞り込み、購入の申し込みをしたら価格交渉や契約条件の交渉などを行ないます。
   
土地の売買契約
  売買契約の締結前に宅地建物取引士より重要事項の説明を受けます。契約締結と同時に売主へ手付金を支払い、媒介業者に対しては媒介手数料の半金を支払います。手付金は土地売買代金の10%程度のことが多いものの、それぞれの契約によって異なる場合があります。
媒介手数料は、契約時に半金、決済時に残りの半金という場合のほか、全額を決済時に支払う場合もあります。また、土地購入代金にローンを利用する場合には、売買契約締結後すみやかにその申し込みをします。
   
土地の引き渡し(決済)
  残代金を支払って土地の引き渡しを受けます。残代金にローンの融資金を充てる場合には、金融機関との間でローンの契約(金銭消費貸借契約)を結び、融資を実行してもらいます。
土地の引き渡しを受けるのと同時に、所有権移転登記および(ローンを借りた場合には)抵当権設定登記の申請手続きをします。媒介業者に対しては媒介手数料の残りの半金(契約時にゼロだった場合は全額)を支払います。
   
古家解体工事/整地作業
  更地渡しを条件としなかった場合には、土地の引き渡しを受けてから古家の解体工事および解体後の整地作業をすることになります。
ただし、建築の依頼先がすでに決まっている場合には、建築工事に合わせて古家の解体工事を任せることもできます。更地渡しを契約条件とした場合には、土地の引き渡し前に古家解体工事や整地作業が行なわれます。
   
敷地測量/地盤調査
  明確な実測図などがなく、かつ、測量を売買契約の条件としなかった場合には、改めて敷地の測量が必要となります。また、地盤の強度に合わせた適切な基礎を造るためには、地盤の調査も必要です。
ただし、敷地測量や地盤調査を買主の費用負担としたときでも、交渉により土地の引き渡し前にこれらを実施することができる場合もあります。売買契約の条件が実測売買のとき、または公簿売買でも測量を条件とした場合には、土地の引き渡し前に測量が行なわれます。
   
基礎工事着手
  建築する建物の建築確認を受けた後に着工となります。


建築工事にかかわる主な流れ

土地購入の段取りと並行して、建築工事のための前準備も進めなければなりません。建築工事をするときの主な流れは次のようになりますが、それぞれのケースで異なる部分もあります。全体的な流れをイメージとして捉えておくと良いでしょう。

建物プランの検討
  自分や家族が希望する間取りや要望事項をしっかりと整理して、設計者へ的確に伝えられるようにしておくことが大切です。
   
設計プランの打ち合わせ
  建築士や設計事務所との打ち合わせを重ねながら、建物プランを練りあげていきます。それと並行して、工事依頼先(工務店またはハウスメーカーなど)候補の絞り込みも進めます。先に工事依頼先を決め、建物の設計を含めて発注する場合もあります。
   
設計・監理契約/設計の詰め
  建物の設計を第三者(建築士や設計事務所)に依頼したときは、建物代金の10%前後の設計料を支払います。それに合わせ、工事依頼先候補から見積もりを取って比較検討します。
   
建築確認申請
  建築工事に先立って、特定行政庁または指定確認検査機関による建築確認を受けなければなりません。建築確認にあたっては、一定の手数料が必要です。
   
建築工事請負契約
  建築工事を依頼する工務店やハウスメーカーとの間で、建築工事請負契約を締結します。その際に工事着手金として、請負金額の20~30%程度(これより少ないケースもあります)を支払います。
また、建築工事代金の支払いに住宅ローンを利用する場合には、その申し込みもしなければなりません。工事中間金の支払いなどに合わせて段階的に一部金の融資を受けられる住宅ローンの場合には、早い段階で金銭消費貸借契約を結ぶことになります。
   
地縄張り/地鎮祭
  建物の基礎工事に入る前に地縄張りなどの作業が行なわれます。また、それに合わせて地鎮祭を執り行なうことも多いでしょう。
   
建築工事着手
  建築確認を受けた後に、建物の建築工事に着工します。
   
中間検査
  建築工事の途中には、建物の規模や構造に応じて定められた中間検査を受けます。
   
上棟式
  上棟前後のタイミングで、工事中間金として請負金額の20~30%程度の支払いを求められる場合があります。
   
建築工事完了/竣工検査/完了検査
  建築工事が完了したときには一定の検査を受けます。検査済証を受領するまでには数日かかりますが、これがないと住宅ローンの融資が実行されない場合もあります。
   
建物の引き渡し
  工事費用の残代金を支払い、建物の引き渡しを受けます。それと同時に建物の所有権保存登記の申請手続きを行ないます。住宅ローンを利用する場合にはその融資実行を受けるとともに、抵当権設定登記の申請手続きも行なわれます。
   
引っ越し、入居
  引き渡しを受けた住宅にいつ入居するのかは自由ですが、住宅ローン控除の適用を受けるためには、引き渡し後6か月以内に入居するとともに、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住していることが要件となっています。


土地探しと建築の前準備は同時進行で

土地購入代金をすべて自己資金で充当することができ、かつ、入居時期にもこだわりがないのであれば、自分のペースで一つひとつの段取りを進めていって構いません。

しかし、土地購入代金につなぎ融資などを充てるときには、建物が完成して住宅ローンの実行を受けるまでに余分な金利負担が必要になります。また、建築工事に想定以上の日数がかかることも多いでしょう。

土地購入の売買契約から建物完成までの日数をなるべく短縮したいものですが、かといって必要な段取りや打ち合わせなどを省略したり、無理に工事を急がせたりすれば、不本意な建物や欠陥が疑われる建物を生み出す結果にもなりかねません。

土地探しと並行して建物のラフプランを検討したり、土地の売買契約と並行して建築工事の準備を進めたりして、効率よく必要な段取りを進めることで日数の短縮を図りたいものです。

また、ハウスメーカーに建築を依頼しようとする場合には、敷地形状によって希望するプランの住宅が建てられない場合もあります。建築工事を依頼しようとする相手先の特徴や敷地の制約なども踏まえたうえで、土地探しをすることも必要になってきます。


関連記事

不動産売買お役立ち記事 INDEX

土地購入における資金計画のポイント
土地購入にかかる費用の種類とあらまし
土地探しの前に知っておきたい予備知識
地価動向、相場観に強くなる