定年・退職のお金/老後の生活費と家計管理

老後の家計は年間で管理しよう(2ページ目)

長い老後を平和に楽しく過ごすポイントは「健康」「いきがい」「経済(お金)」の3つです。ここでは3つめの「経済」、特に生活資金に焦点をあてて、その収支を長短のスパンで把握する必要性と方法を考えます。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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老後の支出も長期スパンで管理

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時間軸を変えて、リタイア後の収支を見通してみよう

一般に、リタイア後の数年間は収支のギャップに悩み、不安を抱えながら金融資産を取り崩している世帯が少なからずあります。つまり、退職で収入は激減するのに、お付き合いや余暇・趣味などの活動的な生活を現役時代と同じように続けるため家計は大赤字。少なくとも夫婦が満額の公的年金を受給するまでは「赤字」が続く、ということです。

これは、重度のストレス状態です。これを避けるには、支出も収入と同じように年間で把握して、長期間にわたる収入と支出のバランスを大まかに把握すればいいのです。赤字が一時的なものであれば問題はありませんが、将来的に続くようであれば、赤字分を手持ちの金融資産でカバーできるかどうかもチェックしなければいけません。

退職金を取り崩せば赤字家計もどうにか乗り切れる!?

総務省「平成25年 家計調査年報」によると、高齢夫婦無職世帯(世帯主65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの世帯)の1カ月の家計は、消費支出が24万2000円、非消費支出(税金や社会保険料など)3万円。つまり1カ月につき6万円弱(年間約70万円)の赤字に。これを金融資産の取り崩しで賄うなら、リタイア後30年分として2100万円程度が必要になります。

一方、日本経済団体連合会「2012年9月退職金・年金に関する実態調査結果」によると、大卒の退職金は約2500万円、高卒は約2100万円です。退職金でなんとか賄えそうです。

家計の無駄も今のうちにカット

退職金とは別に、予備資金に充当する金融資産が準備できている人は問題ありません。しかしそれが難しい人は、支出内容を検討し、削減できるものはすぐに削減し、家計の健全化を図らなければいけません。それには、数年前からブームの「断捨離」(*)という考え方を参考にするのも一案です。

(*)やましたひでこさんが提案する「片付け」の考え方。「断捨離とは、自分とモノとの関係を問い直し、暮らし・自分・人生を調えていくプロセス。不要・不適・不快なモノとの関係を、文字通り、断ち・捨て・離れ、引き算の解決方法によって停滞を取り除き、住まいの、暮らしの、身体の、気持ちの、人生の、新陳代謝を促す……。住まいが、片づかないという悩みはもとより、身体の不調、煩わしい人間関係、忙しすぎる状況をも解決していきます」(「断捨離 やましたひでこ公式サイト」より)

>>>安心して家計管理を続けるには財布が3つ必要です
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