日本の小麦で日本独自のパンを
アドバゲット(240円)国産小麦の低温長時間発酵
アドパンデュースではもちろん、パンを買うこともできます。いま一番人気のパンは、冷蔵発酵のバゲット類。これらは、灰分の高い国産小麦の全粒粉に近いタイプで、水分量が多く、通常の半分以下の時間で焼成するのだそうです。料理に合わせて食べるのはもちろん、味が濃くそのままでもおいしい、アドパンデュースだけのパンです。
チャバタ(120円)も人気の食事パン
「品種改良で製パン性もよくなってきている日本の小麦を使って、僕は日本独自のパン食文化がつくれるんじゃないかと思っています。バリっとしたバゲットにこだわらずに、独自の食事パンを作っていきたい」米山さんは言います。
米山さんの野菜パン
彩あざやかなパンたちは、パンデュース同様
そして、お昼時にテイクアウトするならやはり、野菜の料理パンです。レンコン、ゴボウ、大根など日本の野菜をパンに合わせる新境地を開いた米山さんは言います。
「フルーツより野菜、デニッシュよりパン。折込み生地に時間を割くよりも、いろいろな野菜をのせたパンを作りたいと思うんです。僕は料理人じゃないから、素材そのものを塩、胡椒、チーズ、ベシャメルソースやトマトソースなどと組み合わせて、パンにのせて焼いて、そのまま出しているだけですが。今ある野菜に合わせてメニューやパンを作るんです。パンは、基本的に1種類の野菜を1個のパンで表現したいと思っています。生で食べられるナスをパン生地にのせてさっと焼くとか」。
お野菜のオープンサンド(270円)
先に野菜ありき。
「僕は野菜の目利きではないし、市場に行く時間もないから、信頼の置ける農家さんにお願いしているんです」
京都や広島の生産者、有機野菜を集めて仲介している業者さんとの信頼関係で、いまの二つの店のメニューは成り立っているのだそうです。
「よく旬の野菜、って言いますけど、うちの店の旬は今、農家さんが収穫しているものです。一般的な季節感とは違うんです」
取材日は、カブ、ジャガイモ、ほうれん草、スナップエンドウ、ばってん茄子、サトイモ、ショウガ、玉ねぎ、小松菜、サツマイモ等のパンが並んでいました。