マンション物件選びのポイント/マンションの構造・耐震性

震度7発生その時 家は地盤はライフラインはどうなる?(3ページ目)

2月21日、首都直下型地震の最大震度が「7程度」になる可能性があると発表されました。従来の予測「最大震度6強」から「7」になったことで、家や地盤、ライフラインが受ける被害状況はどのように変わるでしょうか。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

それでは次に、大地震が起こった時の地盤や斜面の状況や、電気・水道・ガス等のライフラインの被害状況はどうなると考えられているでしょうか。引き続き「気象庁震度階級関連解説表」を元に抜粋してご紹介します。

 

大地震で地盤・斜面はこうなる

地盤や斜面等の状況は震度6強と7では違いはないようですが、大地震時には大きな地割れが生じる危険性、崖崩れによる地すべりや山体(さんたい)の崩壊などの危険性が生じるとしています【表5】。

【表5】地盤・斜面等の状況 (クリックして拡大)

【表5】地盤・斜面等の状況 (クリックして拡大)


自然災害の中でも「土石流」「地すべり」「崖崩れ」の3つを特に「土砂災害」と呼びます。日本では毎年のように土砂災害が発生しており、ハザードマップなどで土砂災害が起こりやすい地域を表示している自治体もあります。ぜひ一度調べてみることをお勧めします。

 

ライフラインへの影響

■ガス供給
今はほとんどのガスメーターに安全装置がついており、震度5弱程度以上の揺れで遮断装置が作動して、ガスの供給を停止するようになっています。安全性は高いのですが、遮断装置の解除方法も知っておくと良いでしょう。

■断水、停電の発生
断水や停電の可能性は震度5弱程度から発生します。震度6強程度以上の揺れがあると、広い地域でガス、水道、電気の供給がストップすることがあるとなっており、やはり日頃からそれらが止まっても数日間しのげる程度の水や非常食、簡易トイレなどの備えが必要であることが分かります。

■電話等がつながりにくくなる
震度4以上の地震が発生すると安否確認の電話などが増加し、電話などがつながりにくくなります。その対策として、震度6弱程度以上の揺れがあった場合には、通信事業者によって災害伝言ダイアルや伝言板などの提供が行われます。従って、通信手段を家族で話し合っておくことが大切です。

■エレベーターの停止
地震管制装置付きのエレベーターは、震度5弱程度の揺れで安全のために自動停止します。またいったん停止すると安全確認などのために、再開までに時間がかかることがあります。

以上、大地震が発生した時の状況を掛け足でご説明いたしました。これらのリスクを知っておくことは、地震に対する日頃の備えや災害時の行動に役立つはずです。

東日本大震災発生一年を迎える今、首都直下型地震「震度7」の可能性があるなど地震の規模や発生確率も危険側で見直しがされています。これを機に、大切な命と財産を守るために災害を最小限に抑える「減災の試み」と、防災グッズの整備や地震保険への加入といった「備え」について再度確認してみてください。

【参考サイト】
気象庁震度階級関連解説表(気象庁)

【関連記事】
命と財産を守るために住まいの「減災」と「備え」を
大地震に見るマンションの耐震性能
地震がきたらどこに逃げると安全?
首都直下「震度7」の可能性 自宅の耐震性は大丈夫?
新しいほど耐震性は高い?耐震基準の変遷
 
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます