モデルルーム公開延期の合間に、不安の声を集めた
- 坂根
- オールアバウトに新しく『Good Answers』というコーナーができました。読者も回答できるしくみです。そこに「タワーマンション購入、あなたならどうしますか」という質問を提示してみたのです。すると予想を上回る書き込みがありました。2つほどご紹介します。
- 「災害のことを考えて買うのも重要ですが、それだけで選ぶのもどうか」
「不安は営業担当と話すといい。もし不安が残れば購入意欲は失せると思う」 - どうですか?非常に冷静な意見です。今の市場の実態を一部切り取っているのではないかという気がしました。
- では、3つ目のテーマに移ります。防災基準を見直し、いろんな対策を講じたことが、市場にどう受け止められたか。マスコミも注目している湾岸エリアや超高層の市況について伺います。12月に即日完売リリースを発表された野村不動産からお願いします。広報の北井マネジャーは以前営業畑で、しかも都心エリアを長く担当されていました。
- 北井
- 東雲がどうしてもフォーカスされますね。震災後初の湾岸で超高層、それにオール電化。非常に注目を集めました。もともと5月ぐらいにモデルルームを開けようと準備していました。しかし、さっき山田さん(三井不動産レジデンシャル)がおっしゃったとおり、まさに一種のパニック状態だったので、何がどうというのではなく、やっぱり冷静に物事をいろいろ考える冷却期間が必要だろうとオープンの延期を決断しました。節電のために販売センターを自粛したという理由もあります。
- しかし、その期間を漫然と過ごすのではなく、すでに2,000件ぐらいお客さまの資料請求が震災前に集まっていましたので、そのお客さまにアンケートを実施しようということになりました。 ウェブと紙で。何が不安で、どうしてほしいかを細かくヒアリングしたのです。なかには直接面談したり、電話で聞いたりしました。液状化への不安もあれば、一方でコミュニティに対する期待があったり。お客様によって、さまざまな見方のあることがわかりました。そして、生の声と1,000件ぐらいの有効回答をもとに、販売チーフのもと、いろいろと組み立て直したのです。
- 実際には、防災倉庫のなかの物の見直しや販売センターのレイアウトなどです。すべてお客さまの声をベースにやり直しをしました。そうこうしているうちに、オープンは9月になったのですが、4ヶ月はそういうことに費やした。逆にいえば、その期間で、震災後にマンションを探すということ自体を、お客さま自身も冷静に整理する機会としてお使いになられたのではないかと考えています。根本的な需要は底堅いと私どもの東雲チームは確認できましたので、自信を持って9月からオープンしました。
- ご来場されるお客様の数も、当初の想定を大きく超えましたので、営業スタッフの数も大幅に増やしました。お客さまに対して今まで以上に現地できちんとご説明しようと。1回だけじゃなく、何度も来ていただいて、きっちりご説明できる体制をとったのです。
- お客さまに対して、営業が本当に地に足をつけて、地味ですが一人一人のお客さまに同じ目線で一つ一つの相談に耳を傾けられる体制をとった結果、第1期で当初の想定以上の、250戸の販売に進めたのだと思います。
野村不動産 広報部 マネジャー
北井大介氏
「プラウドタワー東雲」販売センター内に展示された防災備品