四季咲き性バラの剪定を解説
整枝剪定で、毎年美しい花を
なお、つるバラの剪定と誘引については【つるバラ、冬の剪定と誘引】をご覧下さい。
<目次>
四季咲き性バラの剪定の目的
バラの整枝剪定には、次のような目的があります。- 花が鑑賞しやすいよう、樹形をコンパクトにまとめるため
- 勢いの悪くなった古枝と新枝の更新
- 花がら摘み(凋花切り)をして、充実した枝を出させるため
四季咲き性バラの剪定に準備するもの
バラの整枝剪定に必要なものです。- 皮手袋─トゲによる怪我を防ぐため
- 剪定鋏─細枝の剪定に使用
- 片刃鋸─園芸用のもので、太い枝に使用
四季咲き性バラの剪定の下準備
まずは、枯れ枝や細く弱々しい枝、内側(幹の中心)に向いている枝を根元から切り取ります。また、枝が混み合っていると風通しが悪くなります。枝数が多い場合は、全体のバランスを見ながら枝を間引きましょう。四季咲き性バラの剪定手順1:樹形をコンパクトに
A.冬剪定適期は1月下旬頃~2月ですが、寒冷地では冬に行わず春の雪解けを待ってから行います。
下準備が終わると、充実した太い枝だけが残った状態になるはずです。一般的に、「株の高さの3分の2程度切り戻す(地際から3分の1残る)」などと言われますが、これはあくまでも目安です。株全体の形が盃型になるようバランスを見ながら、良い芽を残すように切りましょう。枝は春からまた生育を始めますから、その分を見込んで思い切って剪定します。
冬の強剪定のイメージ
B.夏剪定
夏剪定は、8月下旬~9月上旬頃に行います。
これは、秋に良い花を咲かせるために行うものです。剪定せずに花を咲かせ続けると、栄養が行き渡らなくなるため花が小さくなるなど秋の開花に影響します。春の開花が一段落したあと、夏頃についた蕾は切り取ってしまいましょう。
剪定方法は、「株の高さの3分の1程度切り戻し、3分の2を残す」と言うのが一般的ですが、冬剪定と同じく目安として捉えてください。なお、寒冷地では後で説明する「3.花がら摘み」と不要枝の整理程度の剪定にしておきます。
四季咲き性バラの剪定手順2:古枝と新枝の更新
バラの枝は3年も経つと、老化して花つきが悪くなってしまいます。そこで、毎年良い花をつけさせるために、夏頃に伸びる勢いのよい枝(ベーサルシュート)と更新させるのです。適期は冬剪定(寒冷地は春)の時で、古枝は思い切って地際で切り取ってしまいます。
なお剪定の際は、芽の位置や向きに注意しましょう。剪定すべき枝として「内向きの枝」がありますが、これは内芽(内側に向いた芽)が伸びた結果です。従って剪定は、画像Cのように充実した外芽の5ミリ程度上の位置で切るようにします。
ちなみに、画像Aは芽に近いうえに水平に切っているので芽も枝も傷んでしまいます。Bは芽の向きと剪定の向きが逆で、これも芽が傷みます。Dは、芽から離れた位置で剪定していて、枝先が枯れ込みやすいです。
バラの芽と剪定位置
四季咲き性バラの剪定手順3:花がら摘みをして、充実した枝を出す
花が終わったあと花がらをつけたままにしておくと、バラも他の植物同様に子孫を残すべく種を作ろうとします。種をつけるには多くのエネルギーが必要で、栄養分もそちらに取られてしまうので、次に咲く花が貧弱になってしまいます。また、病気の発生源になることもあるので、花が盛りを過ぎたら早めに花がらを切り取るようにしましょう。切る位置は、5枚葉の付け根にある芽を確認して、そこから5ミリくらい上になります。花がらは、5枚葉をつけて切り取る
ガイド記事【あなたは切れる人?切れない人?】で、草花を例に「切る」ことの大切さを述べましたが、バラも同じ。適切に整枝剪定して、よい花を咲かせましょう!
【関連記事】