今回は、バラを撮影するときのポイントをご紹介しましょう。
花が開ききる前のバラの形が美しい
花の開き具合がベストな状態のバラ。自分の好みの花の咲き加減で撮るバラを選別しましょう。 |
バラの花を撮るときに、まず着目するのがバラの花の開き具合。好みにもよるので、どの状態がベストと断言はしませんが、花が開ききる前の状態が写真に撮るにもきれいです。
「これから咲きますよ」といった感じの状態のときが、花弁も締まっていて見ていても収まりがいいものです。どうしても花が開ききってしまうと、大味な感じになってしまい。シャープさはなくなります。
花弁が開ききってしまった状態。上の写真と比べても、写真映りの差は、歴然としています。 |
バラ園などで撮影するときには、まず自分好みの「イケメンなバラ」を探すことから始めてみましょう。
ボケをいかしていい感じ
手前の大きな花にピントを合わせています。後のつぼみや花はぼやけています。このぼやけ具合を「ボケ」といい、コントロールしながら撮影を行います。この写真の絞り値はF4です。 |
花を撮るときによく使われる手法がボケをいかした効果。ボケとは、前後のピントの合わないぼやけた部分のことを言います。中心となる被写体の前後をぼかすことで、効果的な背景を作るのに使われます。
ボケについては、露出について少し知っておくと、自分の思い通りにコントロールすることができます。露出については、『露出なんて簡単カンタン!?』の記事や『露出はこれでマスター!』にてまとめてありますので、ご覧になってください。
花びらのアップの写真でも、ピントの合う部分を浅くして写すと、少しやわらかい雰囲気のあるものになります。あまりはっきりさせず、ぼやけた部分があるところが、バラの持つミステリアスな感じもさらに高めてくれる効果になるでしょう。
花びらの先端のところにピントを合わせています。そのため、全体にぼやけた感じになり、やわらかい雰囲気を出した写真になっています。ボケを上手に使うことで、作りたいイメージをコントロールできます。 |
ボケを作るのには、絞りを浅く設定します。シャッタースピードもその分、速くなるので手ブレはおきにくいのですが、心配な方は三脚を使っての撮影がいいでしょう。ただ、公園などでは、三脚の使用を規制している箇所もありますので、指示に従って撮影を行うようにしましょう。
太陽光の強弱にも意識しよう
直射日光がバラに当たる状況で撮影。強い光が当たることで影が濃く出ている。
木漏れ日が当たる状況で撮影。光が柔らかく当たるのでバラの表情にもどこか優しさが感じられる。
晴天時で太陽光が最も明るい時間帯は、バラに照らされる光に注意が必要です。直射日光がバラに当たる状況では、影が強く出てしまい、明るい部分と影のコントラストがはっきり見えてしまいます。バラの色によってはこの影の部分が裏目に見えることもあります。
日差しの強いときは、薄く影になる部分に咲くバラや木漏れ日を受けるような場所を選んでみるといいでしょう。どのような写真にするのかのイメージによって光の強弱の選択は分かれますが、光の当たり具合にも意識をしたいところです。
次のページでは、一番決め手となる効果的な構図の作り方をご紹介します!