クレイアニメの作り方を学ぼう!

クレイアニメの作り方を学ぶ
自分の作った粘土が画像のなかで動きだす、クレイアニメは意外に簡単に作れます。
粘土がグニョグニョ動くアニメーション、テレビなどで見たことあるのでは?そう、あれがクレイアニメーション。実はこれデジカメで撮って意外に簡単に作ることが出来るのです。粘土を少しずつ動かしながらデジカメで撮影して、その写真をソフトでつなげるだけで動くアニメの完成!

親子いっしょに作るととても楽しいイベントに、また大人の方がひとつのアートの表現方法としてトライしてみてもおもしろいことでしょう。自分の作った粘土が動くのを見たときは感動すること間違いなし!?

アニメーション作家のこぐまあつこさんに監修していただき、瀬川が一日入門してきました。こぐまあつこさんのプロフィールなどについては後ほどご紹介します。

それではみんな粘土を持って集まれ~。
   

クレイアニメは準備するのもまた楽し?

準備するもの
クレイアニメーションを制作するのに必要なもの。準備をしているときもまた楽しいですね
まずはクレイアニメーションを制作するにあたり、準備するものをご紹介しましょう。
 
  • デジタルカメラ (一眼レフ、コンパクトどちらでもOK)
  • 三脚
  • アクリル板 (透明のもの、大きさは30×20cm位は最低限必要)
  • 紙コップ (アクリル板の土台として使います)
  • 粘土 (Claytoon という粘土を推奨)
  • 画用紙 (背景に使うもの、色などは自由に)
  • クレヨンまたはカラーペンなど (背景の絵を描くのに)
  • 両面テープ
  • ガムテープ
  • ウェットティッシュ (粘土の色が混ざらないよう指についた他色を拭くのに)
  • 粘土ヘラ
  • パソコン
  • Windows ムービーメーカー (WindowsXPなどに付属でついているソフト)

以上が最低限必要なものです。粘土は少しずつ動かしていくので、途中で乾いてしまうものだとボロボロと崩れてくることがあるので注意が必要とのこと。

あれこれ作ることを考えながら用意するのも楽しいですね。ゆっくりと忘れ物がないように準備しましょう。
 

アクリル板など、セッティングの要は「動かないように」

セッティング
アクリル板や紙コップなどが床から動くことないようしっかり貼り付けましょう。軽い三脚ならテープで固定しておくといいでしょう。
まず最初は撮影舞台ともなる場所のセッティングです。ここは舞台作りの基礎的な部分なのでしっかり組み立てましょう。

まずセッティングで大事なことは動かないようにするということ。ひとコマずつ撮影していくので、三脚やアクリル板などが途中で動いてしまうと絵がずれていってしまいます。ここはとても重要。

場所ですが、直接ガムテープなどを貼っても大丈夫なところを選びましょう。ガムテープの粘着力のことを考えるとカーペットやじゅうたんの上などはあまり適さないかも。フローリングのような場所だと最適です。

そして、天井のライトの位置にも注意が必要です。ライトの真下ですとアクリル板に反射して写りこむので、天井のライトが写りこまない場所を探してみてください。

場所が決まればそこに紙コップを逆さにして四隅に立て、その上にアクリル板を乗せます。紙コップの部分は写真には写さないので、あまり大きくないアクリル板に紙コップの場所が占めてしまうと粘土を動かす部分が狭くなってしまいます。その点を考えながらアクリル板と紙コップで土台を作ってください。

形ができたら、紙コップをガムテープで動かないように床に固定します。そして次に紙コップとアクリル板を固定するために両面テープで紙コップの裏側とアクリル板を貼ります。
 

三脚を立ててカメラで画面を覗いてみよう

次に出来上がったアクリル板の土台の真上に三脚を立てます。三脚にカメラを設置し、アクリル板と平行になるように設定します。そして、ズームを使いアクリル板を写してみます。この時、足となっている紙コップは画面に入れないようにしましょう。ここで写っている部分が「舞台」となりますのでこの設定はとても大事なところ。

アクリル板の下の床に画用紙などを置いてカメラに写っている部分の四隅をマーキングします。このマーキングした部分が写る部分なのでこの範囲に背景などを後から描きます。

この後、設置したカメラで撮影をしていくわけですが、注意することがあります。それはコンパクトカメラなどは節電モードなどが設置されていて、しばらくカメラを動かさないと自動的に電源がオフになる機種が最近は多くあります。実はこれがクレイアニメを撮るときにはとても障害になります。

せっかくアクリル板の写す部分を設定したのに、カメラがまた元に戻ってしまっては、安定して同じ画像を撮り続けられなくなるからです。もしこの節電モードを切ることができるなら、先にそのように設定しましょう。

最後はソフトに取り込んでアニメーションとして見るのであまり大きな画像サイズで撮る必要はありません。大きすぎるとソフトがスムースに動かなくなるのでご注意を。
 

作品のストーリー・キャラを考えよう

人形制作中
ストーリーを考えたら、出演させる主人公を粘土で作ります。ここも楽しい制作過程です。
さて、舞台は整いました。つぎにやることは、アニメのストーリーを考えて、主人公などを粘土で作る作業です。お子さんなどと一緒にやるときは、「どんなお話しにする?」と話しながら考えていくといいでしょう。アニメ制作のなかでも楽しい部分です。

ストーリーといっても最初はあまり長いものではなくて、例えばある動物が歩いてきて、いろんな表情をして帰っていく、というような一連の動作くらいのものにしておいたほうが進めやすいです。あまり手の込んだものを最初から作るとなると大変かも。

動物でも人形でもいいです。なにか決まったらそれにキャラクター付けなどをしていくといいでしょう。性別や年齢、性格などを決めておけば動かす時の指標にもなるので、この段階でいろいろ考えてみてください。

そのストーリーに合う背景を先ほどカメラのレンズで覗いてマーキングした画用紙に描いていきます。クレヨンでもサインペンでもなんでもいいです。背景の上に粘土の人形などが動くことになるので動きなどを考慮して描いていきましょう。

背景が出来たら、紙コップの下に設置して、カメラのレンズを通して位置を確定しましょう。場所が決まればこの画用紙もテープなどで動かないように貼り付けます。ストーリーの展開によってこの背景を変えていくのもいい方法。絵が必要ないなら単色の色画用紙だけでもOKです。
 

動かしながら撮影してみよう

ボールが動く
クレイアニメの基本の動作、ボールが動くシーンを撮影中。
ストーリーも考え、主人公の人形も出来たら早速、撮影をしていきます。でもいきなりどのようにして進めていけばいいのかわからないですね。

一番簡単な「ボールが動く」というアニメーションの撮り方で基本的な撮り方をご説明しましょう。

まず小さいボールを粘土で作ってみてください。それをカメラに写っている端からボールが出てきて舞台の中をコロコロ転がっていくというアニメーションを撮ってみましょう。

最初、なにも乗せてないアクリル板を4枚撮影します。これは最初の間(ま)のようなものでなにも写ってないところからスタートさせます。

そして、ボールを出し始めたいところからホンの一部分が写るように置き、撮ります。さらに少しずつ中にボールを入れ、その都度撮影します。ボールは約5mmずつくらい動かして撮る感覚です。もう少し大雑把にやる場合なら1cmくらい動かして撮ってみてください。また粘土を動かした後のアクリル板に残った汚れなどは、拭きながら撮影することも大事。

ボールが舞台の中を輪を描いたりといろんな動かし方を試してみてください。この動作を撮り終わったら、カメラの液晶モニターで撮った写真を最初からコマ送りして見てください。パラパラ漫画のようにボールが動いて見えますね。これで基本的なクレイアニメが出来上がったわけです。

あとは、この応用編として人形を使ったりして、ボールを撮ったときと同様に少しずつ変化をつけながら撮影を繰り返していきます。撮影の基本動作としてはこのような流れになります。
 

オリジナルクレイアニメ、『トン太郎が行くっ!』

トン太郎撮影中
ストーリーに沿ってひとコマずつ粘土を動かし撮影していきます。大変なところですが、ここが肝心な製作過程。
ということで瀬川も簡単なストーリーを考えて人形をつくってみました。主人公はブタのトン太郎。

まずトン太郎の人形を作ります。顔を大きく強調したほうが見た目わかりやすいだろうと思い、かなり大き目の顔にしてみました。さらに色違いのものがあるとピカピカ色変えなどが出来るということで、色違いものを二体つくってみました。

足やしっぽなど後に動かすポイントの部分を作っておくことなども考えながら主人公の人形を作っておくといいかもしれません。一番簡単に動かせる部分ですから、全身の人形などから作り始めるのもいいでしょう。
 

目で表情を作ってみよう

目制作中
こぐまさんにいろんな目のバリエーションを作ってもらっているところ。さすがワザが細かい!
このトン太郎の動きを出す部分で思いつくのは足。前後に動かしたりすれば出来るのでこれは簡単!

もうひとつの場所は表情。でも表情の違いを出すのは難しそう、と思いますよね。こぐまさんのご指導によると、表情を変えるポイントは「目」はだそうです。

なのでここでは目のパーツもいろいろ作っておきます。への字のものや、三日月形、まん丸、目玉を違う色でつけたものなど、いろいろバリエーションをつけて作っておくと面白くなります。それに合わせて口のパーツも作っておくといいですね。

トン太郎が出てきて、目をパチクリさせてそしてまた去っていく、そんな動きをここでは作ってみました。目の部分をひとつずつ変えながら撮っていくだけで、表情がとても豊かに変化していきます。

そして最後のしっぽの部分が「おわり」と文字を作って終わるという流れ。ストーリーというほどのものはないですが最初はこれでも手一杯といった感じ。撮った画像をモニターでコマ送りしていくと、動いているっ!このときの感動は言い表せないほどです。きっとここまで作ってきた方だけに味わえる至福のひとときなのかも。
 

いよいよアニメーションに!

本番画像
トン太郎の撮影したひとコマ。目と口元で表情を変えていくシーン。
すべて撮り終えたら、パソコンに画像を取り込みます。フォルダを作っていれておくとわかりやすでしょう。そして、Windowsに付属でついているムービーメーカーを立ち上げてください。

ムービーメーカーは、画像をつなけで映画の編集のようなことができる簡易ソフトです。ここに先ほど撮った画像を最初からドラッグ・アンド・ドロップすればOK。出来上がったアニメーションを再生してみましょう。

自分で作った粘土がアニメーションとして動いているのを見たときには、歓喜の声が渦巻いているに違いないことでしょう。

本当は、今回出来上がったものをアニメーションとしてみなさんにもご覧いただきたかったのですが、この記事を書いている現在、All Aboutのサイト上では動画のコンテンツをお見せすることはできないのです。残念ですが、瀬川が作った『トン太郎が行くっ!』は画像のみでしかご覧いただけません。

コロコロとボールが転がり、色が変わり、それが潰れてトン太郎に早変わり。そして二色のトン太郎が表情を変えながら走り去って、しっぽで「おわり」と書いて終わる、というアニメーションです。

もちろん瀬川も動く様を初めて見たときはとても嬉しく感動しました!この喜びは作った者だけしか味わえないものです。またなにかの機会があればぜひこの作品をご覧いただけたらと思ってます。
 

こぐまあつこさんはこんなひと

雪渡り(c)hurricane films Inc.
こぐまさんの作品のひとつ『雪渡り』のワンシーン。(c)hurricane films Inc.
今回、クレイアニメーションをご指導いただいた、こぐまあつこさんは、徳島県出身で99年からフリーのアニメーション作家としてご活躍されています。

宮澤賢治原作の『雪渡り』(クレイアニメーション作品)や『クレイアニメ太鼓の達人』などの代表作のほかCMなどでも作品を発表されています。

今回、快くご協力いただいたこぐまさんには感謝を申し上げます。

みなさんもぜひクレイアニメを作ってみてください。出来上がったアニメーションを見たときにはきっと感動しますよ。


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