皮もOK! 無駄なく食べられる「キンカン」の食べ方・保存方法
キンカンは柑橘類の一種でミカン科ですが、ミカン属とは別のキンカン属。中国原産と言われ、諸説ありますが日本には鎌倉末期から足利時代に伝わったとされています。ミカンやダイダイの陳皮の代用として民間で用いられてきたそうです。現在は、温かい宮崎県、鹿児島県がキンカンの主な生産地です。キンカンは、果皮に爽やかな香り、甘味と苦味があっておいしいですが、果肉は酸味が強いです。皮や筋にも健康に役立つ成分が含まれているため、柑橘類には珍しく皮ごと食べます。また、キンカンは生食だけでなく甘露煮やジャムなどの加工品にされますが、近年は生食にむいているような糖度が高く、大粒の品種や、種無し品種なども出回っています。
最近の子どもはキンカンの食べ方を知らず、ミカンのように皮をむいて食べようとすることがあるというお話を、以前宮崎に仕事で訪れた時に伺ったことがあります。食文化を伝えるためにも、機会があれば子どもと一緒にキンカンも召し上がってみてください。
キンカンを保存する時には、冷蔵庫の野菜室で2週間ほどですが、品質が落ちるため1週間程度で食べることをおすすめします。長期に保存する場合は、甘露煮やジャム、はちみつ漬けなどにするとよいでしょう。これを肉の煮込み料理に加えても、甘酸っぱさが相性よく、風味が深まります。
参考/
・みやざきブランド推進本部
・亜熱帯果実及びきんかんを利用したワイン及びリキュールの開発(宮崎県工業技術センター)
・健康食品の安全性・有効性
・薬になる植物図鑑(柏書房)
・江戸時代食生活事典(雄山閣)
その他