売れる新築マンション、動き鈍い中古マンション
マンション市場も踊り場? 中古在庫は約3割増
『2012年は、マンションの買い時といえるのか?』。東日本大震災や欧州通貨危機、アジア・中東の不安定な情勢。消費税などの増税による将来の負担増。購入をためらう要素は、多々あります。しかし、住宅は生活の基盤となるもの。持ち家派が震災後も多数を占めるのも事実です。果たして、2012年は、マンションの買い時といえるのかを様々な角度で考えて見ましょう。
不動産経済研究所と東日本不動産流通機構から首都圏の11月度の新築マンション、中古マンションの売行きがそれぞれ発表されました。不動産経済研究所発表の首都圏マンション市場動向(2011年11月度)によれば、11月の新築マンション新規発売戸数は、4,820戸。対前年同月比で31%増、前月比で42.9%増です。中でも東京都区部は、2,488戸で全体比で51.6%を占め東京都のシェアは60.3%です。
タワーマンションの供給も回復しつつある
一方、東日本不動産流通機構発表の2011年11月度の月例速報によれば、2011年11月度の首都圏中古マンション成約件数は2,497件で、前年同月比3.9%減少。前月に東日本大震災後、はじめて前年実績を超える成約件数になりましたが、再び前年割れになりました。成約価格は、総額で2,470万円で前年比7.2%の下落。平米単価は38.18万円で前年同月比5.4%の下落となっています。在庫は、増加トレンドが続いており、首都圏で43,734となっており昨年対比で約3割増です。 震災で、一旦売り控えられていた新築マンションが秋以降に市況を見据えた価格で売り出されたことによって、需要が新築マンションに集まりその分中古マンションの売行きが鈍化していると思われます。
震災による全体需要の低迷も、こうした中古の売行きや価格動向に影響していると思います。
次のページでは、需給面で見た2012年の買い時度合いを紹介します。