スモークしたニシンとじゃがいものサラダ仕立て
何より感動した一皿が「スモークしたニシンとじゃがいものサラダ仕立て」だ。シンプルな見た目ながら、クラシカルなフランス料理の王道をゆくといった印象だ。軽くスモークをかけ、一晩塩と砂糖でマリネされた素材はすっきりと優しくしたの記憶に残る料理として今も記憶に蘇る。骨が多くて生臭いニシンのイメージが吹き飛ぶことだけは確かだ。
フランス内陸部の伝統的郷土料理だ
「鱈のソテーと三種類のチーズのラヴィオリ」。毎回ブノワに来て思うのだが、ここの魚の鮮度とクオリティは日本でもトップクラスではないだろうか。オリーブオイルにズッキーニ、玉ねぎのアッシェが散る食感が鱈の肉質とほどよいコントラストを形作る。添えられたラビオリは、一口で頬張るのを勧めたい。パルメザンチーズ・グリエールチーズ・ミモレットの3種類のチーズが勢いよく口中で溶けて弾けて絡み合う。
ラビオリとの相性も抜群
日本ではなかなかお目にかからない迫力ある一皿、「骨付き子羊すね肉のブレゼ じゃがいものグラタンドフィノア」もおススメだ。太い骨に付いた繊維質の肉は長時間煮込むことにより、硬さが一気にほぐれてやわらかくなり、プルンと骨から剥がれ、ゼラチン質がほんのり舌に残る。
仔牛のローストは火を入れる前にハーブに漬け込んで下味をつけてそこからゆっくりと低温ロースト。仔牛特有のやさしい赤身の肉に香りが閉じ込められ、上品なメインディッシュに仕上げられる。
つけあわせのエシャロットやジャガイモもかなりの美味しさだ
どれもフランスの伝統的な趣あるフランスの郷土料理。今回のフードフランスに合わせて来日している『ル・ビストロ・デ・クレール』のアントニー・コッポラ氏はヴァランスの三ッ星に輝いたピックで修行を積み、オーナーのシャブラン氏の元で伝統的な料理の学びを得ながらさらなる磨きをかけている。
デザートも選ぶのに迷うだろう
ヌガーの産地としても知られるモンテリマール出身の彼は、父がイタリア系フランス人、母がベトナム系ということで国際色豊かな人柄だ。生まれも育ちもフランスなのだが「ベトナム人である祖母の料理を食べて育ったんだよね」とはにかみながら話す姿は24歳の青年らしく爽やかそのもの。聞くと15歳から料理の世界へ入ったという彼の目標は将来自分の店を持つことと話す。
これからの活躍が期待できる若いシェフだ
週末には400人もの人々が訪れるという『ル・ビストロ・デ・クレール』。フランス人にこよなく愛される料理を青山のブノワで味わえるのは今月22日(火)まで。
フレンチ愛好家だけでなく若い料理人やサービスに従事する方々にもおススメだ。
■フードフランス「ル・ビストロ・デ・クレール」@ブノワ(青山)
予約電話:03-6419-4181
東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山10F
地図
開催期間:2011年9月22日(木)~9月27日(火)
営業時間
ランチ 11:30~14:30(LO)3600円/4800円/6000円(税サ込)
ディナー17:30~21:30(LO)6000円/7200円/8400円(税サ込)
フードフランスの公式ホームページ