フレンチ/東京のレストラン

エスプリ溢れる料理の数々に舌鼓! コムアラメゾン(赤坂)

喫茶店のような内装ながら、料理は頑固一徹、ランド地方の郷土料理が並ぶ。夜遅くにグルメが集う、今注目のレストランだ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

★2003年11月30日加筆修正★
旬の素材というとだいたいにおいて、筍やアスパラ、秋刀魚や鱧など野菜類か魚類がまず浮かぶに違いない。しかしフレンチでは、日本でいう肉の御三家である「牛豚鳥」の他にどれほどうまい肉があるのかということを、これからの秋深まる季節に感じさせてくれる。

ジビエとは自然の野禽類のことを意味する。世界の空を旅する真鴨、深い森に潜む山鳩、野山を駆け巡る猪や鹿、野ウサギなど自然の中でたくましく育った野禽類である。産地としては遠くスコットランドやイングランド、ベルギー等から、また最近は中国からも空輸で届けられる。

偏見めいたことを言うつもりはないのだが、スーパーの店頭に並ぶ、脂ぎって何か特殊なものを食べたに違いないと思わせるような霜降りの牛肉、単に黒豚といっても産地が特定できないような豚肉、噛んでも味が非常に薄い鶏肉(これはブロイラーと言っていい)にはもう辟易だ。子供の頃から「柔らかい肉がおいしいのよ!」と母親から育てられた私たちはせめてこれからの時代、噛んで味わいが口中に広がる滋味深い「本物の肉」を楽しみたいものだ。

秋から冬にかけては自然の中で育まれた「本物の肉」、ジビエに食費を費やす絶好の季節だ。

さて、9月というとまだジビエにはまだ早い(一般的には10月中旬以降)のだが、赤坂は「コム・ア・ラ・メゾン」の涌井シェフから面白いジビエが届いたと電話があり、早速出かけてみることにした。16席程の小さなレストラン、コム・ア・ラ・メゾンはフランス南西部ランド地方の郷土料理を専門とする極めてストライクゾーンの狭い店だ。それだけに素朴なフランス田舎料理がリーズナブルな値段でたっぷり楽しめる。

03年夏にエントランス部分がリニューアル(といっても自分達の手で内装の手直しを行ったようだ)して、ビストロっぽい雰囲気が漂いだしてきた。

さあ、そのジビエの味わいや、いかに?!
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