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「健康日本21」運動で、日本人はどうなった?(4ページ目)

平成23年10月13日厚生労働省は、「健康日本21」についての最終評価を公表しました。「健康日本21」は、国民や社会が一体となって取り組む健康づくり運動。今回は、この最終評価の中で、食生活に関わる部分を取りあげてご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

今後の主な課題

最終評価でまとめられた今後の主な課題について、ガイドからの考えや、これまでの記事のご紹介をしておきますので、参考になさってください。
  • 食塩摂取量の減少のように、個人の努力だけでは、これ以上の改善が困難なものについては、栄養成分表示の義務化や市販食品の減塩など企業努力を促すための環境介入が必要となる。

忙しくて中食や外食が増える生活にある場合等は、塩分使用量を控えた商品の提供や成分表示など、企業の協力に頼る部分も大きくなると思います。家庭内でできる塩分摂取量減少の工夫などは、塩分の目標量が低減の記事をご参考になさってください。

  • 男女とも20 歳代で、栄養素の摂取や行動変容が乏しいことから、この年代への対策が必要である。特に男性は、20 歳代から30 歳代にかけて体重を増やさないためのアプローチが必要である。
  • 脂肪エネルギー比率が30%以上の者の割合は、男女とも20歳代で最も高く、この世代へのアプローチが必要である。
  • 肥満者の割合について性・年齢階級別にみると、有意に増加しているのは30~50歳代男性であり、特に平成21年の肥満者の割合を10年前の該当世代と比較すると、現在の30歳代男性の増加割合が最も大きいため、20歳代から30歳代にかけて体重を増やさないためのアプローチが必要である。
若い女性には、「やせ」の傾向が続いている一方で、特に男性には肥満の傾向が見られ、また若い男女には脂肪エネルギーの摂取が多く見られるなど、何をどれだけ食べればよいのかという知識が定着していない、あるいは忙しい生活の中では、分かっていてもなかなか実践できないということもあるのかもしれません。

これまでも、食事のバランスや、食べ方の目安野菜をなぜ350g食べれる事がよいのか、などについてご紹介しています。

また何を食べるかだけでなく、早食いせずによく噛むことが肥満防止や、歯周病や体全体の健康につながるなど、食べ方を意識することも心がけてほしいものです。

  • 肥満の予防・改善については運動との連動、朝食欠食の改善については休養(生活リズム)との連動などといった、個人の生活習慣全体を包括的に捉えた新たなアプローチとともに、子どもの頃からの望ましい生活習慣の定着を強化していく必要がある。
日本人の摂取カロリーは、戦後の食べ物が豊富ではなかった時期よりも少ないにも関わらず、肥満が増えているというのは、食事の内容もあると思いますが、夜型の生活にもあるのではないかと考え方もあります。勤務状況などでどうしても不規則になりがちな事情もあるでしょうが、まずは規則正しい食事のリズムがなぜよいのか、また朝ごはんを食べることが生活リズムにや健康にどのように関わるのかなども、過去の記事で取りあげていますので、知っていただけるとよいかと思います。

その他の栄養・食生活の課題や都道府県別の地域差など、運動やたばこやアルコール、糖尿病などについての評価、さらに次期国民健康づくり運動に向けての方向性やなど、詳しくは、「健康日本21」最終評価をご覧ください。少し見にくいですが、自分の生活習慣などの現状を客観的に判断する一つとして、照らし合わせてみるのもよいと思います。

参考/
・健康日本21
・21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)について(健康日本2 1 企画検討会)
・「健康日本21」最終評価の公表
その他
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