実験結果

抽出した紅茶を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定するため、必要量を採取

抽出した紅茶を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定するため、必要量を採取

まず、ポリフェノール(タンニンともいわれる)について。
【A】総ポリフェノール量のグラフ

紅茶の総ポリフェノール量(ml/100ml)。詳細は下記グラフ 【B】、【C】を参照

紅茶の総ポリフェノール量(ml/100ml)。詳細は下記グラフ 【B】、【C】を参照


これは立山先生、神山先生に出していただいた総ポリフェノール量を示すグラフです。内訳は下記にて掲載しています竹元先生に行っていただい た【B】【C】のデータをご覧ください。

ダージリンとアッサムで比較すれば、ダージリンのほうがアッサムよりどの条件下においても多いという結果が出ています。

また、ダージリン、アッサムともに温度条件では100度による抽出が最も多く溶出。60度での溶出量は、ダージリン、アッサム両者100度抽出の約半分の溶出量です。ダージリンについては、25度(室温として設定)でも時間をかければよく溶出されていることがわかります。

ここで簡単に説明しておきます。まず生の茶葉にはカテキンという物質が含まれ、代表的なカテキンは4種類。EC(エピカテキン)、ECG(エピカテキンガレート)、EGCG(エピガロカテキンガレート)、EGC(エピガロカテキン)。この茶葉に含まれるカテキンの一部が紅茶製造時にテアフラビンやテアルビジンへと変化します。

なお、カテキンやテアフラビン、テアルビジンなどは、その化学構造からポリフェノールと呼ばれます。
下記グラフをご参照ください。

【B】カテキン量のグラフ
カテキン類の溶出を表したグラフ。溶出した紅茶100ml中のカテキン、EGCG(エピガロカテキンガレート)、ECG(エピカテキンガレート)の量(mg/100ml)

カテキン類の溶出を表したグラフ。溶出した紅茶100ml中のカテキン、EGCG(エピガロカテキンガレート)、ECG(エピカテキンガレート)の量(mg/100ml)


【C】テアフラビン量のグラフ
テアフラビン類の溶出を表したグラフ。溶出した紅茶100ml中のテアフラビン類4種の量(mg/100ml)

テアフラビン類の溶出を表したグラフ。溶出した紅茶100ml中のテアフラビン類4種の量(mg/100ml)

ご参考までに、テアフラビンと並んで紅茶の主要ポリフェノールであるテアルビジンについては組成が複雑で、現在のところまだ分析することができません。

【B】のカテキン類の溶出については、ダージリンとアッサムを全体的に比較すると、ダージリンのほうがアッサムより多く溶出していることがわかります。

カテキン類の溶出で、目立っているのはダージリンの25度抽出で、60度、100度抽出に比べ、今回測定したどのカテキン量においても溶出量が多くなっていることで、時間をかければ低温でもよく溶出されることがわかります。アッサムについては、100度においてカテキン類が良く抽出されるようです。

【C】の紅茶らしい紅系の色を表すテアフラビン量(TF、TF-3’G、TF-3G、TF-DG)について実験結果を見ると、アッサム100度抽出による液がテアフラビン量が突出しているということが言えます。

アッサムとダージリンをそれぞれどの温度で比較しても、アッサムのほうがダージリンよりどのテアフラビン量も多く溶出しています。中でも突出して多いのがアッサム100度抽出の紅茶液(日常生活で紅茶を入れてもアッサムのほうがダージリンより紅系の色が強く出ているのを想像してください)。

(注)テアフラビンというのは紅茶の明るく美しい赤褐色を作り出している物質。緑茶とは違うこの紅色がテアフラビンと(まだ実験されていない)テアルビジンの正体なのです。ちなみに、緑茶に多く含まれるカテキンは無色。

以上、実験とその測定値の中でポリフェノール量についてご紹介しました。
次回は、測定値の続き、カフェイン量、アミノ酸量についてご紹介し、最後に私たちがおいしい紅茶を飲むための科学的結果をまとめます。

実験にご協力いただいた先生方
冨田 勲先生 静岡県立大学名誉教授 この実験や実験結果分析などを監修
立山千草先生 新潟県立大学 人間生活学部 健康栄養学科 准教授 
竹元 裕明先生 北里大学 薬学部薬学科 助教
神山 伸先生 新潟県立大学 人間生活学部健康栄養学科 助教

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